陰緑 [光景]
〔01〕
〔02〕
〔03〕
訳あって初めて訪れた土地で少し歩きました。
気の向くままに写真を撮った中から、
三枚の写真を選びました。
共通しているのは緑、
少し陰気で暗い緑。
写真が心を写すものならば、
この写真はいったい何を写したのだろう。
透光 [光景]
残暑厳しかった九月の記憶、
神社の鬱蒼とした森は少しだけ涼しかった。
あの頃は早く涼しくなって欲しいと思っていたが、
昨今は朝晩の冷え込みに、
あの暑かった夏が遠く、
懐かしく思われる。
九月も今日で終わり、
この後秋は深まるばかり。
雲影 [光景]
ある日眺めていた空、
溢れる光を受け、
ただひたすら空に広がる雲の影。
〔01〕
〔02〕
〔03〕
〔04〕
風の強い日だった。
空にはたくさんの雲が流れていた。
時折雲間から強い光が放たれ、
雲の影を深く、色濃く染めていく。
そんな眩しい光景に魅せられ、
目を細めながら眺めていた空、
夏も終わりを告げた日の光景。
暗雲 [光景]
一週間ほど前のある日の夕方、
心と時間に少しだけ余裕があり、
東の空の雰囲気が良かったので、
慌てて写真を撮るために車を走らせました。
〔01〕
高架橋の上に広がる明るい空は東の空、
夕陽は背後に沈みますが、
空を広く眺めることの出来る方に向かって走ります。
信号と渋滞と焦る気持ち、
光が無くならない事を祈ります。
〔02〕
開けた場所に到着。
残念ながら期待通りの空を見ることが出来ず、
この後も東奔西走してみましたが、
結局この日はこの2カットのみ撮影となりました。
けれども空を広く撮ることができる
この場所を見つけ出す事が出来たので、
今後この場所で撮影した写真が
記事となることが多くなると思われます。
コメントは相変わらず不調ですが、
昨夜から体調も悪くなり、
昨夜に引き続き満ちた月が空を泳いでいますが、
写真を撮る気力は全く起きず、
月は部屋の中から眺めるだけ。
共にする音楽はシェーンベルグの「浄められた夜」、
月光はこの世界を洗うかのような清浄な光を眺め、
秋の一夜を楽しみながら、
少し多目に睡眠を取ることにします。
清浄 [光景]
夏が長いのか、
秋が遅いのか、
毎日暑い日が続きます。
夏の疲れが癒えると思っていた九月、
秋の涼感漂う空気を求めているのですが、
中々秋らしい気温になりません。
気持ちはすでに秋になっているので、
この日中の暑さに参っています。
暑さの残る毎日ですが、
不思議なほど空気が清浄です。
見慣れた町の風景、
写真を撮りたくなるよな風景に見えてきます。
普段は通り過ぎてしまう場所でも、
気になって立ち止まりたくなります。
残念ながら仕事の移動中に
車を止めて写真を撮ることが出来ません。
こうして信号待ちの車の中から
写真を撮ることが精一杯です。
いつもの癖で暗めの写真、
カメラの露出補正は常にマイナス1から2、
影の部分は潰れても、
このような場面では空の質感を表現したいので、、
画面全体の雰囲気を優先に撮影しています。
鈍天 [光景]
台風が通り過ぎて行った日、
空は幾重にも墨を重ねたような雲に覆われていた。
山の連なりを暗く影となるようにし、
稜線を短く這う明るい雲を置く。
台風の前後は空の表情が目まぐるしく変わる。
風と雨が止んだ一時、
移動中の車を止めてその一場面を撮影する。
台風被害が気になる反面、
台風特有の空の表情を撮影したいとも思うのだが、
仕事に就いていれば思い通りにはならない。
幸いにも今回の台風の被害を受けることが無かったが、
皆様はご無事でしょうか。
被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。
心放 [光景]
仕事の山を乗り越え少し心のゆとりを覚える。
その心のゆとりが一枚の写真を納める気持ちを作り出す。
この二ヶ月ほどゆとりが無く、
気に掛かる光景に出会っても
写真を撮る余裕が無かったが、
今日は心の開放感もあり、
印象的な雲を撮影するために、
車を止め外に出て撮影する。
露出補正はマイナス2。
雲の立体感と空の沈み具合が、
私が抱く好感と一致する一枚。
今夜は感傷的にならずに済む。
夏の終わりを惜しむように、
また、この夏の仕事に終わりを告げる為、
マーラーの交響曲第九番を聞く。
一つの区切りを標すには心象が一致し、
その余韻を堪能するための曲。
二番の「復活」も言い当てているような気もするが、
夏を惜別する思いを込めて九番にする。
静かに消え入る夏の終わりも良かろう。
窓 [光景]
窓は不思議な力を持っている。
窓のどちら側から見るかでその世界は全くの別物になる。
窓は様々なものを運んでくる。
光、
風、
音、
香り、
そして、影。
窓が伝えるもの、
窓辺で何を感じるかは自分次第。