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祭場 [歩景]





信州 飯山  秋の寺巡り  その八




飯山B04.jpg
〔01〕


ここは伊勢神社と神社の前にある共有の空間、
ここが境内となるのかどうかはわかりません。
それでも年に何度かの祭礼には、
地元の人が集まる空間のように思われます。
何故そう思うのかと言うと、
この写真にある青いシートに包まれて円錐形の物体から推測するのであります。
この物体は小正月に行われるさいのかみで燃やすもの、
雪国では雪が降る前に作っておきシートを掛けておくところが方々で見受けられます。
雪が地上を覆ってしまうとこうした準備も何かと不便なので、
きっとこうして秋の内に準備をするのだと思います。
小正月には無病息災を祈り火を放たれ燃え上がります。












飯山18.jpg
〔02〕


大聖寺からの帰り道、本光寺を過ぎて再びこの広場にやって来ました。
往きは背中に太陽の日を受けて歩いていましたが、
帰りは太陽に向かって歩きますので、
自然に逆光で景色を見ることになります。
往きには気づかなかった光景に出会います。
杉木立の隙間から秋の日差しが漏れ差し込みます。
その向こうにある墓地は落ち葉焚きの煙に包まれています。
こうした光景は普段私の写真感覚では撮ることのない情景、
写真目線ではなく素直な感覚で撮った一枚です。












飯山19.jpg
〔03〕


この空間に通じる参道には、
このような裸電球が疎らな感覚でぶら下がっています。
こうした裸電球が点されても、
きっと心許ない明るさだと思いますが、
祭礼の夜には灯され人々を導くのでしょう。
心許ない灯りの点った光景は何とも裏寂しい情景を思い描かせるのですが、
それは主役でもなく、そして名脇役でもない、
そんな電灯を私なりに写真の主役に仕立ててみました。



   五、 「伊勢神社」、「琴平大社」



更に往きに通った道を戻ります。
ここは伊勢神社と琴平大社の二社が建ち並んでいますが、
琴平大社は人を近付かせない気配が漂い私もその気配に勝てず、
その祠に通じる階段に足を踏み入れることはありませんでした。

ここで撮った三枚の写真ですが、
写真〔01〕は往きに北向きに太陽を背に、
写真〔02〕は帰りに南へ太陽に向かい撮りました。
写真〔03〕は往きに見つけていた被写体でしたが、
太陽に向かって撮ろうと思ったので帰り道での撮影です。


それにしても随分広角側の感覚が鈍っています。
初めて一眼レフを持ったのは今から三十年ほど前、
標準レンズの次に買ったのは24ミリの広角レンズ。
望遠レンズは高く手が出なかったのが決定的な理由で、
自分には広角レンズを使いこなす事が出来るという何の根拠もない自信の上、
28ミリではなく24ミリを買いました。
当時は自分にとっての標準レンズは24ミリとさえ思うほど、
標準レンズを放り出して24ミリ一本で良く写真を撮りました。
ですから多少は広角レンズは得意だという自負もありました。
やがて180ミリ、300ミリと望遠レンズを手に入れると
望遠レンズの虜になりました。
そして今のデジタル機では単焦点レンズを持たず、
広角28ミリのレンズはズームとして持ち合わせているだけ、
おまけで広角域を使うことが出来るという感覚には多少違和感を持っているのですが、
感覚が鈍ったのは私自身が原因だとよく自覚しています。

こうした出来の悪い写真ですが、
このシリーズでは寺巡りの全容を見ていただく趣旨でご覧いただいています。
それは私の写真よりも私の感情を見て頂きたいとも思うのです。
このシリーズでは記事全体を通して見ていただけると幸いです。













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