暗寒 [朝景]
〔01〕
今朝は少し遅めの起床。
布団の温もりが心地よく抜け出すのに少し時間が掛かった。
家の中が冷えている。
天気予報通りに気温が下がった。
慌ただしく階下に降り簡単な朝食を用意、
さて食べようかと窓の外を見ると、
暗い空に薄明かりに浮かぶ雲を見つける。
持った箸を置き部屋に常備置いているカメラで撮影。
これから冬に向かいこうした空の広がる日が増える。
雪国に長く住んでいてこうした空をもう何十年も見ているが、
私はこうした空が嫌いではない。
それは写真を撮るようになってから得た楽しみでもある。
〔02〕
起き掛けは昨日からずっと降り続いた雨も上がっていた。
昨日はよく雨が降り、
雨音が嫌いではない方だけれど、
さすがに気が沈んだ。
今朝は布団から抜け出すのが遅れたお陰で、
考えていた時間より遅れて家を出た。
その焦りで少し慌ただしい運転となる。
途中から雨が降り出す。
更に心も少し慌ただしくなる。
そんな中で何故か写真を撮ろうかと思う。
慌ただしい状況の中でそう思うのはどうしたことだろう。
赤信号に捕まる。
慌ただしく鞄からカメラを取り出す。
ちょうど台車を押した男が横断歩道を渡る。
露出とフレーミングをと整える余裕はなく、
とにかくシャッターを切る。
〔03〕
その後信号が青に変わるまでにもう一枚シャッターを切るのが精一杯。
フロントガラスの雨粒にピントを合わせたかったが合致せず。
慌てていると何もかも上手く行かない。
〔04〕
時間と共に空は明るくならず、
雲に覆われ減光し雨足も少し強まる。
暗く寒い朝のフロントガラスを通して見る空模様。
*
慌ただしい朝の通勤風景。
それは今年一番の冷え込みとなった昨日の朝の出来事です。
見渡す山々はその頂だけでなく、
中腹まで一気に雪を帯びました。
まだ紅葉を見ていない私の目には、
その雪肌の白い色がとてつもなく冷たく感じました。