雨音 [雨景]
地上に落ちる雨の音。今日は夕暮れに窓辺で佇み雨の音を聞く。
昨日の夕暮れ時の雷雨と違い、今日は柔らかな雨で、耳にする雨音は田んぼや畦に落ちる音。屋根に打ち付ける雨の音の様に固くはない。今日の雨は触れ合う相手が自然であるため、聴覚は勿論の事、眺めていれば視覚的にも柔らかく感じられる。
今日一日が緩やかに、柔らかく暮れてゆく。眠りに着くまでのひととき、雨を眺め、雨音を聞き、感応の一時を過ごす。
雨と写真 [雨景]
今日は肌寒く感じるほど気温が低かった。五月最後の今日一日、雨が降った。明日から六月、衣替えである。けれども今日のこの気温では、衣替えを躊躇したくなるほどである。
思いがけない冷たさを持ち合わせた雨の日は、少しだけ心が沈みがちになるが、雨は風景を演出してくれる。肌と心で感じる冷たさは心を引き締める。心が引き締まると、思考や感覚が研ぎ澄まされる。常に研ぎ澄まされた心の有り様は疲れるかもしれないが、こうした心の張りは快感である。
自分の心に合う風景を、少し暗く写し撮る。どうしても光を少なくして写したくなる。これは自分の癖である。「自分が気持ち良くなる」為の映像の明るさなのである。自分に取っての適正露光であり、その価値は自分にある。写真は私的に撮っているだけ。誰の為のものではない。写真は自分の心の表れである。