散歩 [旅景]
〔01〕
〔02〕
〔03〕
〔04〕
〔05〕
〔06〕
〔07〕
〔08〕
〔09〕
〔10〕
九月二十一日(日) 撮影
今年の夏は仕事が忙しく、
妻子は夏休み帰省する事が出来ませんでした。
私がようやくまとまった休みを取ることができた九月の後半、
妻の実家へ帰省しました。
帰省中の予定もそれなりに詰まっていて、
日曜日の午後に少しだけ時間が空いたので、
全くの思い付きですが、
京急「青物横丁」駅から隣駅の「新馬場」まで歩きました。
写真を撮る目的で出掛けるのは約三ヶ月振り、
写真の感が鈍っていて、
カメラの操作もおぼつかない場面もあり、
自分らしい写真を撮る事が出来ませんでしたが、
今回からその写真を数回に分けて記事にして行きたいと思います。
先ずは、「青物横丁」編。
京浜急行には妻の実家を訪れる度乗るのですが、
この「青物横丁」という地名には何故だか心惹かれます。
何かがあるような気がするのです。
何も下調べをしていないので、
今回も以前に二度ほど歩いた事のある、
旧東海道沿いを歩きました。
結果、気に入った場所に出会う事が出来ませんでしたが、
それでも、久し振りにカメラをぶら下げてのつかの間の散歩、
僅かな時間でしたが十分楽しむ事が出来ました。
酒蔵 [旅景]
「酒飲み列車の旅日記」
〔01〕
六月の初旬、
ちょっとした旅の始まりであります。
とある企画列車に乗車するため、
最寄りの駅脇の踏切を渡る時、
あこがれの国鉄色列車が停車していました。
この列車に乗るのではありませんが、
一瞬、この列車に乗って旅に出ても良いと思いました。
〔02〕
高田駅発、十日町行きの企画列車、
「越乃Shu*kura」に乗ります。
「Shu*kura」、
「シュクラ」と読みますが、
漢字で書くと「酒蔵」になると勝手に思い込みブログのタイトルにしました。
〔03〕
座席は1号車と3号車しかありません。
1号車は「びゅうぷらざ」で発売される、
弁当などがセットになった高価なチケットを購入しないと乗車できません。
3号車は乗車券と指定券を購入すれば乗車することができます。
この日、私は3号車に乗車しました。
三号車のシートは新たに設えたリクライニングシートで、
飲食用に前の座席に折りたたみの大きめのテーブル、
そして肘掛けの先端にも折りたたみの小さなカップホルダがあります。
また、なによりもグリーン車並のゆとりのあるシートピッチで、
快適な旅の設えであります。
越乃Shu*kura専用の駅銘板の他、
車両内や停車駅にも細やかな演出が施されていました。
〔04〕
最初の停車駅「直江津」にて。
この列車は古い車両を改造したものですが、
ヘッドライトのLEDなど、
新しい技術も取り入れられていました。
飯山線のような非電化区間を走行できるよう、
気動車であります。
〔05〕
駅の方が見送りして下さいました。
JR東日本、新潟支社の力の入れようが伝わります。
特別な列車で旅をしているという、
旅人の気分を盛り上げてくれます。
〔06〕
列車の紹介はこれまでとして、
いよいよ酒の話題に
「越乃Shu*kura」は、
米どころ新潟の日本酒を楽しむ目的の列車ですが、
列車旅にはやはり缶ビールということで、
先ずは新潟限定発売のサッポロビール「風味爽快ニシテ」を頂きました。
〔07〕
ビールのつまみにはかまぼこ。
何故このかまぼこを買ったのか、
その理由は確か、
地元の素材が練り込まれていたから。
三ヶ月も前のことでその素材が何だったのか全く覚えていません。
おまけに写真をみても手がかりが写っていないのでお手上げです。
ちなみに、
足を組んで座っても、
つま先の前にはまだ十分余裕があります。
これだけシートピッチが広いと言うことで、
知らない人と座り合わせて窓側の席への出入りなども、
これなら容易に通ることができます。
そこまで考えてのシートピッチかどうか分かりませんが、
ただ、折角大きな窓とシートの配置が揃っていないので、
席によっては窓枠が景色を見るときに邪魔になるのが残念です。
〔08〕
さて、いよいよ日本酒を頂きます。
「越乃Shu*kura」内で日本酒の試飲チケットが販売されています。。
飲み比べクーポンとして10枚で千円。
一緒についてくる猪口は残念ながらプラスチック製ですが、
〔09〕
小さな猪口で、
多くても10杯しか飲むことが出来ないので、
損得勘定をしたら決して安いもではありませんが、
5種類の日本酒を楽しむ事ができるので迷うことなく購入しました。
こうした企画には上手く乗せられた楽しんだ方が良いものです。
〔10〕
2号車には売店がありまして、
日本酒を始め弁当やつまみなどが売っています。
生ビールなどもありまして、
我慢しきれず終点近くで生ビールを一杯飲んでしましました。
〔11〕
新潟県内蔵本の酒五種類が用意されていて、
その酒は運行日によって変わるので、
乗る度に違う酒を飲むことが出来ます。
〔12〕
列車の名を呈した大吟醸「越乃Shu*kura」も販売されています。
大吟醸ということでそれなりに値段も高く、
この酒には手が出ませんでした。
〔13〕
さて、それでは日本酒を一杯。
先ずはクーポン1枚で「きりんざんブラック」を頂きました。
つまみは合鴨のロースを買いました。
〔14〕
クーポンを一枚、二枚と渡して酒を呑みます。
次なるつまみは元高田の名物「するてん」。
一夜干しするめを天ぷらにしたもの。
珍しいものではないのですが買ってしまいました。
〔15〕
良く揺れる運転台だと思いました。
この日は何故か運転席とその隣の席に4人も乗り込んでいました。
気動車が珍しい土地、
非番の職員が気動車の運転を楽しんでいるようにも見えました。
〔16〕
運転手は真っ直ぐに目を見据え運転します。
暫しその運転の様子を、
それこそ少年が見るように、
私も見つめていました。
〔17〕
列車は青海川駅に到着しました。
ここ青海川駅は、
日本一海に近い駅で、
そのホームから見る日本海に沈む夕陽は日本一きれいだと言われていますが、
この日、始めてその駅に降り立つことが出来ました。
〔18〕
そのホームからは何も遮る物が無く日本海を望むことができます。
この日幸運にも、
凪いだ海原の向こうに佐渡を見る事ができました。
〔19〕
天の川横たう佐渡を背景に、
モーターボートのような船が凪いだ海を疾走して行きました、
〔20〕
列車は快調に走ります。
気動車のエンジン音は、
スピードに合わせて様々な音を奏でます。
杯を片手に、
その音を聞きながら旅をするのは実に楽しいものです。
〔21〕
2号車では途中、ジャズの演奏があります。
そう言えば新潟市はジャズに力を入れていたような。
お決まりの「A列車でいこう」など演奏されると、
昔ジャズを聴いていた私の旅は、
酒と相まって一層楽しくなるのでありました。
〔22〕
トンネルに入るり、
車窓が一転暗くなると、
照明も一段と煌びやかになり、
洒落た証明の車内は、
酒とジャズが一層似合う空間になります。
〔23〕
乗車した皆さん、
思い思いに酒と列車旅を楽しんでいます。
〔24〕
青海川を出て米山から鯨波を過ぎると海の景色ともお別れ。
しばらく走ると、
2号車で蔵本提供の試飲会が始まりました。
この日は長岡市の吉乃川酒造さんが乗り込んでいて、
4種類ほどの日本酒を無料で試飲の振る舞いをして頂きました。
勿論私も用意された全ての酒を試飲させて頂きました。
意外にも、一番敬遠していた柚子の日本酒が美味いと思いました。
〔25〕
列車は長岡から群馬県との県境方向へと、
進行方向を逆にして上越線を走ります。
しばらく走ると信濃川が大きく蛇行する越後川口に着きます。
そこからは飯山線を辿り、
列車は終点の十日町を目指してひた走ります。
〔26〕
心地よく酔いが回ってきました。
酔いに任せて意味もなく、
流れゆく車窓の写真を撮りました。
〔27〕
時々このような風景にも出会いました。
線路わきの墓地に、
遺骨を埋めてもらうのも良いかと思う列車旅です。
〔28〕
三年に一度開催される「越後妻利・大地の芸術祭」、
二年前に開催されたときの作品が、
飯山線の越後川口から十日町に向かう途中、
下条という小さな無人駅のすぐ側に建っていました。
この茅葺きの屋根、
茅は渦巻き状に葺かれていて、
下から上まで一筆で辿る事ができます。
二年前の夏、
私はこの作品を車に乗って見に行っていましたし、
この作品を作ったグループとも少しだけ仕事で関係していたので、
この日列車の車窓から眺めるの楽しみにしていました。
〔29〕
昼過ぎに終点の十日町駅に到着しました。
列車が停車する駅にはこのShu*kuraの駅銘板があり、
ここ十日町駅でもこの看板が出迎えてくれました。
〔30〕
楽しい列車旅でした。
ただ、酒を飲むことに気を取られ、
車窓を楽しむ事が出来なかったのが残念でした。
機会があればまた乗車したい列車です。
〔31〕
十日町駅前にて。
昭和の雰囲気が漂う駅前商店。
歳を取ってからは、
こうした何気ない店先の風情が好きになりました。
さて、それほど空腹を覚えていたわけではありませんが、
せっかく訪れた旅先の地という事で、
昼飯を食べるべく店を探しに駅前通りを歩きだしました。
〔32〕
駅からほど近い蕎麦屋で蕎麦を食べました。
十日町では蕎麦のつなぎに「布海苔」を使った「へぎ蕎麦」が有名ですが、
この店の蕎麦はへぎ蕎麦ではありませんでした。
この土地では昔、
薬味の「わさび」が手に入らず、
「からし」を薬味にして蕎麦を食べたと、
以前この地の蕎麦屋で聞きました。
一度へぎ蕎麦を和辛子で食べてみたいと思いを、
この日叶える事は出来ませんでした。
〔33〕
駅に戻ると雨が落ちてきました。
大人の楽しみのための旅に同行してくれた小さな旅人も、
この日列車旅を楽しんでくれました。
〔34〕
何やら急に天気が悪くなってきました。
空の色と屋根の色が同化してしまいそうな景色、
酔っ払いの旅でも自分らしい風景を見つけて写真を撮るのが好きです。
〔35〕
十日町からは北越急行で直江津に向かいます。
その帰りの列車を待つ間、
高架ホームから眺める十日町の駅前通り。
雨天に建物の色も沈み込み、
彩度の落ちた風景に心も沈み込みます。
〔36〕
雨の中、
直江津行きの列車がやってきました。
帰りは各駅停車の列車でのんびりと帰ります。
〔37〕
乗り込んだ列車が緩やかにホームを離れました。
窓の外に目をやると、
先ほどホームから見た駅前通りが僅かに見えました。
〔38〕
「さようなら、十日町」、
来年の夏にはまた芸術祭に来ます。
また夏の妻有を車で駆け巡りアート作品を見て回ります。
きっと、その前にへぎ蕎麦を食べるためにやって来ると思いますが。
〔39〕
十日町で列車に乗り込んで、
数分で深い睡眠に落ちていました。
目が覚めたらもう終点の直江津駅のす近くでした。
十日町で降っていた雨も上がっていて、
午後の陽差しは寝起きの目に眩しく、
少々疲労を覚えていました。
その疲れは旅の疲れと言うより、
飲み疲れ、
つまり飲み過ぎでした。
良く言いますが、
本当に昼酒は効きました。
〔40〕
数日後の晩酌、
「越乃Shu*kura」で試飲させて頂いた吉乃川酒造さんの純米酒を頂きました。
純米酒を選んだのは、
ただ単に地元のゆるキャラ「レルヒさん」のイラストがラベルに描かれていたから。
実は、我が家の食堂の掃き出し窓から、
「越乃Shu*kura」が走行するのを見る事ができます。
時折その列車を見ながら、
また、この酒を飲みながら、
この日の鉄道旅を思い出すのでありました。
六月八日(日) 撮影
※最後の写真を除く
彌彦 [旅景]
〔01〕
〔02〕
〔03〕
〔04〕
〔05〕
〔06〕
三月二十七日(木) 撮影
拝殿で参拝を済ませた帰路、
彌彦神社の摂社、末社に立ち寄りました。
この日、彌彦神社で随分と写真を撮りました。
写真の出来に捉われることなく、
時間を気にすることなく、
思うままに撮ることはとても気持ちの良いことで、
今朝、布団の中で雨音を聴き、
出掛けることを躊躇したことなど、
すっかり忘れ、
旅を楽しんでいました。
けれども、
神社ではいつも「神垂」を撮る私が、
この日、一枚も「神垂」を被写体として写真を撮っていないことに、
途中で気が付いていましてが、
ほんお一瞬残念に思いましたが、
それも「自然な流れ」と思い、
感応する光景を探して歩きました。
*
本記事で彌彦への旅記事は幕を閉じます。
この後にも印象深い出会いや楽しい出来事がありましたが、
記事にする写真がないことと、
何より文章を書く気力がないのでこれにて終了です。
長いことお付き合い頂きありがとうございました。
彌彦 [旅景]
〔01〕
〔02〕
〔03〕
〔04〕
〔05〕
〔06〕
〔07〕
〔08〕
〔09〕
〔10〕
〔11〕
三月二十七日(木) 撮影
「絵馬殿」で摩訶不思議な空間に浸った後、
「二の鳥居」を潜り更に参道を進みます。
数段の石段を登ると、
そこに「随神門」が建ち、
二体の「随神」が迎えてくれます。
「随神門」を潜れば、
いよいよ越後一宮の「拝殿」が眼前に現れます。
拝殿背後の彌彦山は雨雲に包まれその姿を望むことが出来ませんでしたが、
それは、神が姿を現さなような様で、
まさに神域を思わせる情景でした。
なお、彌彦神社では「二礼 四拍手 一礼」が正式な参拝。
数日前にローカル局のテレビ番組で見ていたので、
正式な参拝をする事ができました。
*
随分と時間を掛けて境内を歩いていたので、
拝殿に着く前にたくさん写真を撮っていたので、
拝殿に着くころには少々疲れてしまい、
ここでは感覚が鈍くなっていました。
そのような失敗も、
写真だけが目的の旅ではないので、
良き想い出となります。
彌彦 [旅景]
〔01〕
〔02〕
〔03〕
〔04〕
〔05〕
〔06〕
三月二十七日(木) 撮影
本記事の写真を撮った場所は、
私の記憶では「休憩所」であったが、
その記憶が確かなのか不安になり調べてみたところ、
どうやらこの場所は「絵馬殿」というのが正しいようであることがわかった。
参道が左へ直角に折れ曲がった手水社の脇奥に、
杉木立に包まれひっそりと建っているので、
多くの参拝者が立ち寄ることもなく、
その為物はひっそりと建っていました。
一歩立ち入ると、
それにしてもこの空間は思いもよらぬ空間が広がっていました。
床の仕上げはなく、
長きに渡り参拝者により踏み固められた土間があり、
天井も小屋組が剥き出しのまま。
四周の壁には全周ガラス窓と腰掛け設えられ、
窓上の壁や屋根が浮かんだようにも見え、
そこを見上げると所狭しと絵馬が飾られてありました。
その絵馬は簡素な蛍光灯に照らされ、
時代を感じさせる絵柄と相まって、
不気味に見えて来るのでした。
この空間から得る感覚は、
視覚だけではなく、
雨上がりの湿った空気により、
土間の土が発する黴臭い匂いによるものだとすぐに感じ取りました。
そのような匂いというものは、
コンクリートやアスファルトに囲まれて生きる現代では、
感じ取ることの無くなった感覚で、
しばらくぶりに嗅ぐ土の匂いでした。
視覚と嗅覚が混ざり合い、
この空間の記憶が今でも 深く残っています。
写真を追い求めて旅立った先で、
こうした匂いと出会うとは、
全く想像することが出来ませんでした。
*
途中の写真にもありますが、
最後の写真にある額上部に並んだ金色の円筒状の物体、
これはいったい何なのでしょう。
この場所で目に留まり、
自分なりに随分思考しましたが、
出鱈目な答えすら思い浮かびません。
お分かりになる方がいらっしゃいますでしょうか。
彌彦 [旅景]
〔01〕
〔02〕
〔03〕
〔04〕
〔05〕
三月二十七日(木) 撮影
ここ彌彦神社へ、
参拝に来たことなど少し忘れ、
水辺で写真を撮りました。
その時、
足の指先を何かが突きます。
足元を見ると小さな蟹がいました。
ちょっと驚きましたが、
それは何とも嬉しい出会いでした。
彌彦 [旅景]
〔01〕
〔02〕
〔03〕
三月二十七日(木) 撮影
小さな水の流れは、
杉木立にの足元を細く流れていました。
雨上がりの空は薄雲に覆われ、
水面には僅かに光が届くだけ。
水面の輝きは、
その黒色に包まれた杉木立の谷底を静かに流れていました。
彌彦 [旅景]
〔01〕
〔02〕
〔03〕
〔04〕
〔05〕
〔06〕
〔07〕
〔08〕
〔09〕
三月二十七日(木) 撮影
彌彦神社の朱塗りの鳥居を潜り境内に足を踏み入れました。
ほどなく小さな石橋を渡ります。
その橋の下にはこれまた小さな流れがありました。
杉の大木に包まれた参道は、
雨上がりの為その空間は空気に湿り気が多く含まれていました。
空は雲に覆われ、
太陽の光も多く届かず、
薄暗い空間がそこに佇んでいました。
僅かな長さの橋の上で、
足元をを流れるごく小さな川の流れを目にしました。
私は何故だかその流れに心惹かれました。
その神域を流れる水が、
杉木立の葉影からすり抜ける淡い光に小さく輝きます。
言葉では表現することのできない感覚です。
写真でもその感覚を捉えることが出来ませんが、
何も考えず、
思うままに、
ただひたすらに写真を撮りました。