朝歩 [歩景]
ここしばらくは仕事も緩やかで、
私的な時間をたくさん持ち合わせた年末年始休暇を過ごした後も、
ゆとりのある日々を過ごしております。
休日の朝の天気が良ければ、
カメラを携え散歩に出かけるようにしています。
昨年仕事に追われ減った体重も、
年末年始休暇明けにはすっかり元に戻りました。
このままでは元を通り過ぎてしまいそうなので、
朝に限らず散歩に出掛け歩く様にしています。
今日の記事の朝も、
晴れる天気予報でしたから、
少し早めに散歩に出掛けました。
〔01〕
最近はもう少し遠回りをして歩いていましたが、
この日は田んぼの中の道を進みました。
少し冷え込んで地面が凍てついています。
一月のこの時期に雪を見ることが出来ません。
お蔭でこうして田んぼ中の道を散歩することが出来ます。
少々拍子抜けしている今年の雪国の生活、
生活自体は楽で助かりますが、
冬らしくない景色は何か物足りません。
ゆとりのあるこの時期に、
雪の写真などを撮ろうと思っていたのですが、
そうした気持ちも薄れていきます。
〔02〕
歩き始めた田んぼ道、
まだ草の残る中、
下りの始発列車が駆け抜けていきます。
〔03〕
辺り一面霜が降りています。
けれども冷え込みはそれほど厳しくはなく、
微妙な緩さを感じます。
〔04〕
写真を撮ることには熱が入いることがなく、
淡々と歩いて行きます。
〔05〕
凍てつく田んぼが輝き出す前、
心が落ち着く色調です。
〔06〕
太陽の光が射し込んできました。
この日の目的地である集落へ急ぎ歩きます。
〔07〕
遠望する山は妙高山。
我が家の裏から見る妙高山は、
手前の低い山で裾野を見ることができません。
また、頂上が平らに見えません。
〔08〕
左奥が妙高山、
その左隣の山が大毛無山(おおけなしやま)で、
画面右半分を占めるなだらかな山が南葉山(なんばやま)です。
この南葉山は生まれたからこの地を離れたことの無い私に取っては、
幼少のころから五十年以上見続けてきた山で、
言わば心の山です。
千メートルを少し切るこのなだらかな稜線を描く山は、
威圧感のない穏やかで、
山というとこの山を想いうかべる山です。
〔09〕
東の空に太陽が昇りましたが、
薄い雲を纏っていてはっきりとした姿を見せません。
どうやら期待した強い陽射しを望むことが出来そうにありません。
〔10〕
目的の集落に辿り着きました。
最初に去年の暮れに撮った池に来ましたが、
思い描いた光景はありませんでした。
仕方なく、
しばらく池の前の田んぼを眺めました。
〔11〕
その後、
いつも足を運ぶ神社へ行きましたが、
朝は全く神社に光は届かず、
ここでの撮影も諦め、
この日は気まぐれに普段は足を向けることのない、
集落の西側へと向かいいました。
〔12〕
普段通ることのない道、
これまでに数えるほどしか通ったことの無い道、
その道を突き当たれば丁の字に分かれています。
右の道はこれまでに通ったことのない道、
神社で撮影が出来ず、
この朝は撮影を諦め歩くことに徹することを決めていたので、
迷うことなく右の道を進みました。
〔13〕
右の道を歩くとすぐに畑の端に着きます
そこに切り倒された木が数本無造作に積んでありました。
小口や木肌を見るとまだそれほど切り倒されてから古くはなさそうです。
〔14〕
さて、この倒木が積まれた場所で少々悩みます。
このまま農作業用の軽トラックが走ることの出来る轍のある道を辿れば、
先にある団地へと続き、
家並みの中の舗装路を歩くことになります。
畑の端に十数メートルほどを下る人が歩くことの出来る道があります。
落ち葉に埋もれていますが、
日当たりが悪くどうやらぬかるんでいます。
この道を下るのを躊躇していましたが、
道の下に朝陽を受けた田んぼが輝き広がっています。
この田んぼ中の道を歩いたことはなかったので、
この道を下り、
散歩の距離を伸ばして歩くことにしました。
〔15〕
無事にぬかるんだ坂道を下り、
田んぼを横断する道を行き、
田んぼの中の真っ直ぐに伸びる農道を歩きます。
〔16〕
田んぼ中の道の途中、
花を見つけました。
いつもの冬ならば、
この花たちも深い雪の下になっているはずですが、
この冬はこうして花を付けていました。
〔17〕
田んぼ中の真っ直ぐな道を歩いてきました。
コンクリート舗装された農道に出たので、
振り返り歩いてきた道を眺めました。
ここがこの日の最遠地となりました。
〔18〕
帰り道は太陽に向かって歩くことになりました。
途中、
空に鳥の集団が飛んでいるのを見つけました。
右へ左へと円を描きながら、
力強く、休みなく飛び続けます。
その様子を見ながらしばらく歩いていきますと、
その鳥が鳩であることが分かりました。
大きな鳩小屋があり、
傍らに飼い主がいました。
しばらく眺めていましたが鳩は休むことなく、
視界から消えるまで飛び続けていました。
〔19〕
数年前、
地図を眺めていて、
この辺りに水準点があるのを見つけ探しに来たことがありました。
そのことを思い出して、
しばらく探してみましたが、
この朝は遂に見つけることが出来ませんでした。
〔20〕
畑の中の道は緩やかな起伏と曲がりがあり、
気持ちよく歩くことが出来ました。
小さな道草をしながら、
楽しみながら歩くことが出来ました。
この後自宅裏の田んぼ道を、
もう少し遠回りをして帰りました。
一月八日(日) 撮影
この朝は満足する写真を撮ることが出来ませんでしたが、
新しい道を見つけ歩くことが出来ました。
運動を目的とした散歩ではなく、
緩やかな歩き方なので、
健康増進の期待は出来ませんが、
心の潤いにはなりました。
冬にこうして足元の心配をすることなく散歩が出来ることは、
有難いことではありますが、
気象の異常が気に掛ります。
そう言えば、
今年は何やら暖かく感じます。
例年ほどの寒さを感じることがありません。
地球温暖化を思うと、
この感覚を喜んでは居られません。