再訪

〔01〕


出向勤務を終えた後、、
一日の歩く量が激減した日を過ごしていたので、
時には歩かないといけないと思い、
夕暮れ近く、
カメラを持って出掛けました。













〔02〕


最近、
心掛けて撮影している集落へ行くには、
太陽の高度が落ちすぎていて、
思うような光景は望めないと、
空の写真でも撮ろうと裏の田圃道を歩き始めました。

田圃中の小さな踏切、
雪国では車が立ち往生等による事故防止のため、
十二月中旬から三月末までの間閉じられるのですが、
この踏切に通ずる道は経路によっては近道になるため、
割合多くの車が通ります。
この踏切は自宅から見えるのですが、
踏切が閉じられてしばらくの間は、
この踏切の手前まで来て、、
方向転換をして戻っていく車を何台も見掛けます。













〔03〕


越後富士「妙高山」の夕景。
私の好む空模様、光の具合ではなく、
写真への期待はそれほどありませんでしたが、
光が織りなす風景を楽しみながら歩きました。













〔04〕


思いのほか西の空は焼けていて、
思ったより光が残っていました。
田圃に向かった事を悔いて、
もう遅いとは分かっていていましたが、
集落へと足を向けました。













〔05〕


集落に着きましたが、
日も沈んで光は弱くなっていました。














〔06〕


遅いと思いながらも、
先日撮影した池に来ました。













〔07〕


先日は空が青い色のまま暮れていきましたが、
この日は僅かに夕焼けの色がありました。













〔08〕


木立の樹影と儚い茜色。













〔09〕


特別なアイディアなど浮かばず、
先日と同じような写真を撮りました。













〔10〕


「二番煎じ」はやはり駄目なもの。
この日は光の具合も平凡だったため、














〔11〕


路傍の花。
冬枯れの色。













〔12〕


背景の水面には、
僅かな茜色、
水彩絵の具を溶かしたような色具合。













〔13〕


常々木々の枝の姿というのは美しいと感じていますが、
冬枯れに葉を落とした枝の姿を、
水面に映して見ると、
微妙な揺らめきにより、
別の美しさを見る事ができます。













〔14〕


僅かな水面の揺らめきに、
緩やかに、
僅かに、
呼応します。













〔15〕


夕暮れの薄光に、
冴える枝の黒色。













〔16〕


新たな発想も浮かんでこず、
時間だけが過ぎていきます。













〔17〕


光が減退していきます。
明るいレンズに交換し、
変化を求めました。













〔18〕


単焦点レンズのため、
画角の変化を得る事は出来ませんが、
内なる変化があればと思い被写体を探しました。













〔19〕


画角の変化を得るには、
自らが動き、
被写体との距離を変える必要があります。
こうした動作により、
写真を丁寧に撮ることに繋がります。













〔20〕


期待した程の変化を得る事は出来ないまま、
時間は過ぎていきます。













〔21〕


残念ながら、
期待した新たな被写体を得る事は出来ず、
諦めて池を離れます。













〔22〕


すっかり日が暮れて、
明るさが残っている空の方向しか被写体がありません。
空以外のものは全て影、
影の黒い色が冴える時間です。













〔23〕


枝の様々な姿形。
枝先が光の中に溶け込んでいきます。













〔24〕


先ほど集落に辿り着いたときと同じ道を、
同じ方向へ辿り帰る途中、
奥の方に池の端から見ていた木立を眺めます。
また、時間を変えて池に行こうと心に決め、
しばらく立ちつくし見つめていました。



十二月二十一日（水）　撮影



結果としては気に入った写真を撮る事が出来ませんでしたが、
この集落をしばらく撮り続けていきます。
積み重ねから新たな発見などがあるはずです。
この後、
ここにも雪が積もります、
撮影するには辛い時期になりますが、
この冬は心掛けてこの集落へ足を運んでみたいと思います。