散歩 [歩景]
九月も半ばを過ぎ、
暑さも和らぎ過ごしやすくなったとある日曜日。
昼食後の昼寝から起き出すと、
裏窓から眺める空の具合が良く、
降り注ぐ光に促され、
カメラを携え近所へと散歩に出掛けました。
〔01〕
この日誘われた空、
実際の空はこれほど暗くありません。
自分なりに露出を切り詰めて撮影します。
〔02〕
露出を切り詰めると、
雲の立体感が浮き彫りになります。
〔03〕
田圃で空の輝きを眺めながら田圃を歩きます。
カメラを携えての散歩は楽しいものです。
〔04〕
空の輝きを見つめた後は水面の輝きを見つめます。
〔05〕
実は、
どう見ても写真にはならないコンクリート製の用水路の水面です。
焦点をあえて外すことで浮かび上がる世界、
飽きもせずここではこうした写真を良く撮ります。
〔06〕
田圃を横切って小さな部落へと入り込みます。
時折空を見上げては空の具合を確認します。
〔07〕
どうしようもない荒れ果てた藪に木漏れ日を見付けました。
〔08〕
よく見ると枝先の葉に上手い具合に光が当たっています。
宝物を探すような期分で藪を見つめます。
〔09〕
透過する明るい葉をだけでは無く暗い影の葉もあります。
空に露出を合わせるとその葉の形が浮かび上がります。
〔10〕
その藪の脇には、
このような草地が広がっています。
〔11
朽ちた建物の屋根。
屋根の輝きと、
軒先の波形と、
空の色を調和させるのに一苦労。
露出の操作は難しいけれど、
写真特有の画に挑んでみました。
〔12
きな場所、
とても小さいのですが神社へ辿り着きました。
〔13〕
出迎えてくれた狛犬。
その尾に上手い具合に光が当たっていました。
〔14〕
その尾と顔の対比。
こうした光の具合、
光の瞬間を探して歩くのが楽しい散歩です。
〔15〕
光が描き出す物体の形。
光の演出の美しさを求めて歩きます。
〔16〕
灯籠の火袋から覗く光景。
この先にある草の輝きに心惹かれていました。
〔17〕
沈み込んだ背景に浮かび上がる草。
どうということの無い光景なのですが、
何故か心惹かれました。
〔18〕
雑草の姿にも太陽の光は降り注ぐのでした。
〔19〕
知る由も無い雑草の姿も美しいと思うのです。
〔20〕
その光景は、
私の好きな道の脇にありました。
〔21〕
細い道に午後の光が差し込むと、
陰影の強い光景画が現れます。
〔22〕
真っ直ぐではなく、
その先が見えない所に、
何かを予感させます。
〔23〕
その予感を確かめる前に、
道の両脇の光景を見つめます。
〔24〕
どうということの無い、
そしていつもと同じ光景を写真に撮ります。
〔25〕
同じようでも、
少しずつ違う光景。
それはこれまでに出会っていない光景。
自分の心の在り方で見えて来る光景なのです。
〔26〕
時折足元を見つめては歩きます。
〔27〕
透ける光に浮かび上がる葉の姿かたち。
葉の重なりにできる影。
〔28〕
気になる道の光を堪能しつつも、
藪蚊にかなりやられて意気消沈。
しっかり対策をしてきたのですが、
首筋や腕を相当刺され退散しました。
退散途中も光を探して歩きます。
〔29〕
一度集中力が途切れ、
退散を決め込むと写真を撮る事が出来なくなります。
記事としてのまとまりは付きませんが、
この日の散歩はこれにてお仕舞いです。
九月二十日(日) 撮影
仕事の関係もあり、
好きな神社仏閣へ出掛け、
腰を落ち着けて写真を撮る事が一年近くありません。
そのような中でも、
極身近な場所で写真を撮っています。
自宅の窓から撮る空の写真と、
自宅周辺を散歩しながらの写真は、
忙しいときでも続けていますが、
自宅から一キロほど歩いた所にある、
とある集落の小道や神社を本格的に撮影しようかと思っています。
写真に対する気力が薄れ、
逃げ道のような気もしますが、
何か新しい世界に出会う事が出来るかもしれません。
写真を始めた頃から、
手当たり次第では無く、
好きなテーマを追い続ける写真の撮り方をしてきたので、
しばらくはこの場所を既設を追って撮影したいと思います。