妻有 [心景]
越後妻有 大地の芸術祭2015 二日目 その一
この夏の酷い暑さも和らいだ頃、
芸術祭が開催された二日目に松代へ行ってからすでに一ヶ月が過ぎようとしていた日曜日、
ようやく芸術祭に出掛けました。
〔01〕
越後妻有 大地の芸術祭 における核ともいえる十日町市。
その街中にある「越後妻有交流館キナーレ」、
ここには美術館、レストラン、ミュージアムショップ、温泉施設などがあり、
また、併設された建物には土産物店、食事処があり、
芸術祭の期間中にはその中庭に規模の大きな作品が展示され、
常設の美術館と合わせアート鑑賞と、
旅の途中の食事や土産物を購入するにはとても重宝する施設であります。
本格的な芸術祭の作品鑑賞の旅、
その最初に訪れたのがここキナーレでした。
〔02〕
キナーレを訪れたこの日、
夏でありながら時折雨の降る生憎の空模様、
心は暗く沈んでいました。
ここキナーレでは芸術祭の核となる作品展示がされます。
前回はこの場所に夥しい古着が中庭の池を埋め尽くし、
クレーンがその古着を掴み持ち上げては落とすという行為をただひたすら繰り返す、
そのシュールな光景に心惹かれたことを鮮明に思い浮かべたのがこの場所でした。
〔03〕
本当はこれほどに明るい光景でした。
一枚目の写真は悪までも私の印象をそのままに写したものです。
〔04〕
裏側を見せるのは意図なのでしょうか。
こうした画を見るのは刺激的ですが。
〔05〕
空かの侵入者か。
〔06〕
これは何者か。
〔07〕
操られる糸があります。
〔08〕
これは近いところにある時事問題なのでしょうか。
冒頭の山の周囲をこうした物体が浮遊し、
囲んでいます。
〔09〕
先の作品の作者によるドローング。
〔10〕
普通の描き方ではなく、
その勢いを感じます。
〔11〕
私に取ってはこちらの平面的な表現が好きです。
もう少ししっかりと撮りたいと思うのですが、
大きな作品の為、
自分の思うように写真を撮る事が出来ませんでした。
〔12〕
常設のミュージアムにて。
前回の芸術祭でも写真を撮った作品です。
好きな対象には何度でも心を開きシャッターを押します。
〔13〕
一点を見つめます。
〔14〕
素敵な作品に、
〔15〕
私的に接します。
〔16〕
こちらも常設のミュージアム。
各地の土が詰め込まれた小瓶がたくさん並んでいます。
この小瓶の並んだ光景が好きなのですが、
何せスペースが狭く、
一種通路のような所にこの作品があるため頻繁に人が通り過ぎます。
その上ケースのガラスに背後のガラスも映り込むため、
思うように写真を撮る事ができません。
〔17〕
今年も思うような写真を撮る事が出来ませんでした。
〔18〕
、
娘の求めにより訪れた作品。
すっかりこの作品があることを忘れていて、
昼食を摂った店のすぐ側にあったので立ち寄りました。
街中の二階にあった小さなスナックで繰り広げられる想像世界、
硝子窓にはフィルムが貼ってあり、
昼間であっても暗い空間となっていています。
天井から小さな灯りがたくさんぶら下がっていて、
その灯りがガラスに映り込んでいます。
〔19〕
空間の両側に二列あり、
このような丸い照明が設えてあります。
そこに触手のようなビニールが装着されています。
〔20〕
その丸い穴から空気が葺き出し、
触手のようなビニールが生き物のように動き出します。
〔21〕
空気はプログラミングされて送られるので、
触手は順に動きます。
照明も合わさって点滅するので、
動きと光が相まって様々な光景が繰り広げられます。
〔22〕
勢いよく空気が吐き出され、
触手が蠢いています。
〔23〕
最大に空気が吐き出され。
最大に立ち上がっています。
〔24〕
こうした光景は周期があり、
真っ暗になったり、
明るくなったり。
この光景を見るためにしばらく床にしゃがみ込んでいました。
〔25〕
踊るように動きます。
この動きが見ていてとても楽しいのです。
〔26〕
色も変わって次第に萎んでいきます。
〔27〕
この空間の奥に、
このような装置がありまして、
これがこの空間を司っている心臓のように思いました。
実際にはどうなのかわかりませんでしたが。
〔28〕
それにしても不思議な空間でした。
危うく見過ごすところでしたが、
娘に促された事に感謝しています。
〔29〕
十日町の町から少し離れ、
小さなスキー場の傍らにある小さな木造建屋。
その古い階段を上ります。
〔30〕
その階段途中、
階段の先上方を見上げます。
〔31〕
階段を上り詰めたそこには、
このような空間が広がっています。
〔32〕
壁一面に色鉛筆で描かれた葉っぱが貼り付けられています。
私は上方の黒い小屋組に気を惹かれています。
〔33〕
頭上の空間が素敵です。
野地板裏にまで葉っぱが貼られています。
窓から差し込む光が映り、
小屋組の黒い木と、
裸電球の小さな照明が、
緑色の中に心地よくあります。
〔34〕
小屋裏へと繋がる階段を登ると、
天井裏も葉っぱに埋もれていました。
〔35〕
窓枠も、
葉っぱがで彩られていました。
〔36〕
工作机の上。
こうした葉っぱが生まれる場所。
〔37〕
実はここは、
自分でも作品の一部を作る目的で行きました。
この作品は二回前の芸術祭に初めて出会いましたが、
芸術祭に於いても数少ない体験することのできる場所。
そこでフロッタージュをするために今年も出掛けたのですが、
残念ながらこの日はフロッタージュをする事が出来ませんでした。
私としては目の前にある道具があれば何の説明もなくフロッタージュをする事が出来るので、
この芸術祭で唯一娘にも参加することが出来る場であり、
ここで一緒にフロッタージュをするのが今夏の芸術祭の一番の楽しみだったのでとても残念でした。
〔38〕
材料も揃っていて、
これまでにフロッタージュを二回体験しただけに、
勝手にやってしまおうかとも思いましたが、
自重しました。
二階から降りる階段の途中、
天井裏に残された古い道具。
何故だか心がまた沈んでいきました。
八月二十三日(日) 撮影
この日二日目の芸術祭巡り。
一日目は二時間ほどの作品鑑賞だったので、
この日から本格的な芸術祭巡りとなりました。
ガイドブックを手に入れて、
妻と行きたいところをチェックしたところを巡るだけでも、
五回は足を運ばないと見て回る事ができません。
しっかりと計画を立てなければなりません。
従って一つの作品に多くの鑑賞時間を当てることが出来ません。
五歳の娘の一緒なので、
娘は興味を持たない作品ではどんどん先に行ってしまうので、
私もゆっくりと写真を撮る事が出来ません。
従ってしっかりとした写真になりません。
何度も足を運ぶことが出来たなら、
作品としっかりと対峙し、
腰の据わった写真を撮る事が出来るのですが、
大地の芸術祭ではそのほとんどが写真撮影可能というだけでも、
有り難いと思わなければなりません。
*
日曜日の朝、
今日も色々と用事があって、
ブログ記事を仕立てる時間もこれにて終わり。
文章の校正をする時間もないため、
誤字脱字、
文章の不出来などはどうかご容赦下さい。