彌彦 [旅景]
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三月二十七日(木) 撮影
本記事の写真を撮った場所は、
私の記憶では「休憩所」であったが、
その記憶が確かなのか不安になり調べてみたところ、
どうやらこの場所は「絵馬殿」というのが正しいようであることがわかった。
参道が左へ直角に折れ曲がった手水社の脇奥に、
杉木立に包まれひっそりと建っているので、
多くの参拝者が立ち寄ることもなく、
その為物はひっそりと建っていました。
一歩立ち入ると、
それにしてもこの空間は思いもよらぬ空間が広がっていました。
床の仕上げはなく、
長きに渡り参拝者により踏み固められた土間があり、
天井も小屋組が剥き出しのまま。
四周の壁には全周ガラス窓と腰掛け設えられ、
窓上の壁や屋根が浮かんだようにも見え、
そこを見上げると所狭しと絵馬が飾られてありました。
その絵馬は簡素な蛍光灯に照らされ、
時代を感じさせる絵柄と相まって、
不気味に見えて来るのでした。
この空間から得る感覚は、
視覚だけではなく、
雨上がりの湿った空気により、
土間の土が発する黴臭い匂いによるものだとすぐに感じ取りました。
そのような匂いというものは、
コンクリートやアスファルトに囲まれて生きる現代では、
感じ取ることの無くなった感覚で、
しばらくぶりに嗅ぐ土の匂いでした。
視覚と嗅覚が混ざり合い、
この空間の記憶が今でも 深く残っています。
写真を追い求めて旅立った先で、
こうした匂いと出会うとは、
全く想像することが出来ませんでした。
*
途中の写真にもありますが、
最後の写真にある額上部に並んだ金色の円筒状の物体、
これはいったい何なのでしょう。
この場所で目に留まり、
自分なりに随分思考しましたが、
出鱈目な答えすら思い浮かびません。
お分かりになる方がいらっしゃいますでしょうか。