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落雪 [冬景]





公園09.JPG
〔01〕


朝方天気の良い日で、
この年最後の出勤日でした。
いつも通り仕事場に着いた私は、
手前の景色など写真に撮り始めました。
東の空の明るいところを望遠で切り取ろうとカメラを向けると、
自分の居る所は雪が降っていないのに、
少し離れた空には雪が降っているのを撮った写真で気付きました。












公園12.JPG
〔02〕


自分と空の間のどの辺りで雪が降っているのか分かりません。
オートフォーカスのカメラでは雪にピントを合わせることも困難です。
マニュアルフォーカスに設定している間にも空がどんどん変化していきます。
カメラの操作ももどかしく、
ピントを気にせずとりあえずシャッターを押していきます。












公園13.JPG
〔03〕


降っているのは雪でしょうか。
その落ちる早さから霰のようにも見えます。
よく見ると暗い空の部分にも雪を見ることが出来ます。












公園15.JPG
〔04〕


あっという間に太陽は厚い雲に覆われていきます。
次第に雪の降る様を明るい空を背景に見ることは出来なくなりました。
その後まもなく、私の居る場所にも雪が降り始めました。



十二月二十八日(水) 撮影



長年雪国に住み、
長いこと写真を撮りながら、
降り積もった雪の写真を撮ることはあっても、
空を舞う雪を撮るということがあまりありませんでした。
降る雪を撮ることは、
技術的にも難しのですが、
雪の降る中をカメラを持ち出すのが嫌だとか、
雪の降る様をきれいに撮ることが出来る場面に居合わさないなど、
様々な条件が揃わないという言い訳がましい理由の元、
何よりもそうした言い訳を長いことしていた故に、
そう自分の頭に刷り込まれていて、
雪を目にしても心が動かないという現象を引き起こしていたような気がします。
昨年の秋以降、
この場所での定点観察的な撮影で、
普段動かない心に少し刺激を与えられた気がします。
うまく撮ることは出来ませんでしたが、
こうして雪の降る様を写真に撮ることも出来ました。
約半年間、この場所で得た写真は、
その出来栄え以上に朝のわずかな時間の中で、
自然の様々な表情を見ること出来たことが幸せで収穫でした。
既に今はもうその場所に毎朝立つことが出来ないのですから、
この半年間目にした風景は本当に貴重なものであります。










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