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散歩 [朝景]





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その朝、
穏やかな海面を低く朝霧が漂っていました。












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その霧が立ち上り、
太陽を包み込んでいました。












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霧が薄くなり、
暖かな色合に太陽が染まります。












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空を飛ぶ鳥の姿が、
太陽の中に溶け込んでいきます。











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霧が晴れ、
力強く朝陽が差し込みます。












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朝日の熱に朝露が緩み、
衣を流れ落ちます。












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親鸞聖人像も朝陽を見つめていました。












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笠の陰が深く、
その眼は見えずとも、
見つめる視線の先を感じ取ります。












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杖に掛けた念珠には信者の願いが籠もります。












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御堂へと続く石畳を振り返り、
その輝きを見つめます。












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庭木の花が落ち作り出す意匠、
踏まぬようそっと歩きます。












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空に描かれる雲と樹の陰。











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枝葉の陰は迷い無く、
雲の陰の縁取りは階調が豊かです。












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海霧は晴れましたが、
階上は晴れず雲が重なり薄い陰影を作っていました。
海は相変わらず静かで、
緩やかに朝の時間が流れていきました。



五月八日(日) 撮影



五月の連休、
長い休みの方は連休最後の日曜日、
其の朝写真を撮りに出掛けました。
場所は直江津、
昔、親鸞聖人が流罪で越後に流されたとき、
日本海を船で越後に向かった聖人は、
ここ居多ヶ浜で船から上陸したと伝えられています。

この浜はすぐ背後に崖が控え、
その崖を登ればそこに居多ヶ浜記念館があります。
辺りは「五智」と呼ばれるところで、
近くにある「五智国分寺」など親鸞聖人所縁の寺院があり、
越後國一宮「居多神社」などもあり、
年に何度も足を運ぶ撮影散歩の気に入りの場所です。

居多ヶ浜記念館前の展望台では海を見渡す事が出来ます。
周辺の神社仏閣を眺め歩いた後に、
展望台から眺める日本海はいつも新鮮に目に映り、
心身共に休まる思いがします。

潮を嗅ぎ、
波の音を聞き、
目には映らない遠い日のことを思い描く瞬間がそこにあります。



    *



どうにも仕事が追いつかず、
ここしばらく、早朝出勤、残業が続いています。
五月は仕事も忙しくなる前で余裕がありたくさんの写真を撮りました。
記事にする写真は山ほどあるのですが、
ブログ記事を作る時間がありません。
残念ながら更新が滞りそうです。
夏が終わるまではこの状態が続くので、
嫌いで苦手な夏を乗り切ることが出来るかどうか、
本格的な夏を前に今から不安を抱えています。
皆様のブログへの訪問が疎かになりますがご容赦下さい。












蛍光 [水景]





この日どのような状況だったのかはよく覚えていませんが、
食料品から雑貨まで取り扱っている近所のドラッグストアへ
飲み足らない酒を買いに行ったことだけはよく覚えています。




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途中、アスファルト道路のすぐ脇にある田んぼ、
まだ田植えの準備もされていませんでしたが、
少し深く広い水溜りがあって、
そこには思うままに生えた切った雑草があり、
その雑草に意味もなくカメラを向けました。












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既に良い酔い心地でした。
酔人の不可解な行動、
歩いて酒を買いに行くのに何故カメラを持っているのか、
今でも不思議でなりません。












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酔ってはいるけれど、
写真を撮る気力は失っておらず、
決してきれいとは言えない目の前の広が田んぼに向かい何枚も写真を撮りました。

素面を装ってはいますが、
酔人の行動はやはりどこか可笑しいのでしょう、
必死にカメラを向けている私の背中を、
怪訝に見る数人の視線を感じていました。












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何故こんな所を写真に撮るのか、
最初は自分でもはっきりとは分かりませんでした。
イメージする物がありました。
最初の内は何をイメージしているのか自分でも分からなかったのですが、
とにかく撮りました。












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夕陽が水面に輝き、
田んぼから空までとにかくまぶしいほど明るい光景が眼前に広がっていましたが、
その時、
私が頭の中に描くイメージは夜でした。












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酔いながらも試行錯誤して撮りました。
撮っている内に少しずつ自分がイメージする世界が見えてきました。












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私がイメージしたのは蛍の光でした。












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暗闇に儚く輝く、
蛍の光でした。




四月二十四日(日) 撮影












蕗薹 [庭景]





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四月十日(日) 撮影


何と言うことはない、
唯のふきのとうです。
我が家の庭先に自生する数少ない食物、
地面が顔を覗かせた雪消えの頃には摘んで、
今年も何度か天麩羅にして頂きました。

摘まれずに残ったふきのとうが、
こうして伸びた姿を意識して見たのはこの時が初めてでした。
それが異常だということではなく、
私の意識が及ばず無意識に写真を撮っただけの事ですが、
後に原発事故を受けて土地によっては植物が異常な成長をしていると聞き、
そうした情報を重ね合わせて見てしまう写真となりました。











夕空 [夕景]





この写真を撮った頃、
仕事も忙しくなく、
割合早い時間に帰宅していました。
この日も終業のベルと共に会社を後にしました。
家に着くと西の空に陽が傾き掛けていて、
圧倒的ではないものの空が焼けていました。

玄関の戸を開ける前に裏の田んぼに出て、
暮れゆく西の空を眺めました。

空は刻々と、
姿形と色を変えながら暮れていきます。
しばらく飽きることなくそうした空を眺めては写真を撮りました。




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四月七日(木) 撮影













硝子 [夕景]





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古い倉庫の窓ガラスに夕日が映っていました。
そのガラスは古く埃にぼやけていて、
はっきりと太陽の姿を映してはいませんでした。












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窓の下段にはめ込まれたガラスはまるで鑿の跡のようで、
それは夕日に映える海原のようにも見えました。



    *



季節外れのブログもようやく三月が終わります。
冬、雪という決められた題材から解放されましたが、
今までその題材に頼っていたので、
この頃、感応する光景を見つけ出すことが出来ませんでした。
写真を撮るために出掛けるということも無かったので、
写真の感覚が戻るまで少し時間が必要でした。
身の回りで目にする光景を見つけ出すというのは、
私にとっては結構難しい事であります。












終雪 [冬景]





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先ほどまで青一色だった雪肌が、
薄らと紅色を纏い始めました。












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畑の畝、
その起伏を柔らかく、
そしていくらか温かみのある色の雪で包んでいます。












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横からの光は雪肌の陰影を作ります。
在り来たりな田んぼの起伏の表情を豊かにします。












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雪解けの水溜りにもうっすらと雪が残りってました。
その水溜りが輝く位置を求めて歩きます。












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暗雲に切れ間が出来ました。
蒼いまま暮れ行くと思われましたが、、
見納めの雪を劇的に印象深い光景に仕立てました。












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見上げれば、
夕暮れの空に浮かび上がる枝の影。












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雲は流れ空の表情は刻々と変化します。












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その空の動きに合わせ、
空と枝の重なり具合を探ります。












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空と枝、
その陰影が織りなす光景、
刻々と変化する様は見ていて飽きることがありません。












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光の動きは早く、
空は暮れていきます。












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雪の感触を踏みしめて歩きます。
また来る冬まで忘れることの無いように。












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この足跡は雪への想い。
再び出会う雪の積もる冬まで続いて行きます。



三月二十七日(日) 撮影



いよいよ雪との別離です。
季節はもうすぐそこまで春がやってきている、
三月も終わりの景色です。


この冬綴ってきた「冬景」、
雪景色の写真も今日の記事で終わります。
途中休んだり、
他の記事を挟んでしまい、
最終回の記事は入梅時期となってしまいました。
実際の冬よりも長きに渡り、
「冬景」にお付き合いいただきありがとうございます。


この翌日には雪は消えてしまい、
春の訪れを処々に見ることが出来ました。
仕事も一段落を向かえようやく写真を撮りに出掛ける余裕も出来ました。
出掛けるといっても自宅から数キロで、
撮る写真はいつもと変わらず、
繰り返し同じ被写体を追い続けています。、
次回記事からその写真を記事にしていきます。
随分季節は遅れますが、
お付き合いのほどよろしくお願いします。











終雪 [冬景]





夕暮れ近く、
外の明るさに誘われ裏の田んぼへとカメラを携へ家を出ました。
その朝に降った雪は融けることなく、
夕方まで田んぼを白く覆っていました。
その雪明りび誘われての外出です。

三月下旬の雪は別れの雪、
この日の雪も最後なのかどうかは時が過ぎてみないと分かりません。
ですからこの時候の雪には自然と感覚を澄ませて接します。




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外に出て頭上高く空を見上げました。
このうした空の配色、
凍て付く冴えた空の冬ももう終わります。












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空は眺める方角によりその表情は変わります。
西のを見やれば、
深い陰影の空が広がっていました。












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目線を落とし、
雪に覆われた田んぼを眺めます。
一夜に降った雪は思った深かったものの、
一度地面の顔を覗かせていた田んぼに、
地面の島を作っていました。












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雪の写真を撮ろうと思い出掛けたのに、
空の表情も気になり時折空を眺めます。
夕暮れ近い空は刻々と表情を変えるのです。












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歩を進めれば雪に覆われた田んぼの表情も変わります。
地面を覆う雪が描き出すその柔らかな形に見惚れました。












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まだまだ空が気になりを眺めます。
時間の経過と共に青色が深くなっていきます。












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真冬にはその背丈以上に雪が積もっていただろうに、
それでも背筋を伸ばししっかりと立っている、
その強い命の強さを感じます













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生き物の足跡がありました。
足跡の主は分かりませんが、
そこに息づく命を感じます。












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真冬には雪が深く、
足を踏み入れることが出来ず見逃してしまう造形。












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雪肌に近寄って見ます。











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雪が見せる造形は儚い。












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畑の畝の露わな様。












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水たまりに映る空を探して歩きます。












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その島模様は思い描く夢の地図のよう。












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微細な起伏に砂丘の波紋を思い浮かべます。












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陽も大分傾きました。












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光が薄れていく中の雪は、
美しい。



三月二十七日(日) 撮影



既に梅雨入りした所のある日本列島、
暦では衣替えを向かえましたが、
我がブログの写真はまだ雪の写真です。
雪深い我が新潟県の上越は、
この写真を撮った三月二十七日がこの冬最後の降雪となりました。
この冬最後の雪と感じ取ったのでしょうか、
この日の夕方に、
外の気配に誘われ外に出たのは幸運でした。
毎年最後の雪を目にしていながら、
長い人生の中で写真に収めることはありませんでした。
今年は幸いに最後の雪を愛でることが出来ました。

次回の記事もこの雪景色の続きとなりますが、
次回がこの冬綴ってきた「冬景」の最終回となります。












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