翳空 [夕景]
〔01〕
この写真を撮った頃、
こうした眺めの良い所で仕事をしていました。
ただ、この日までの十日間ほどは、
このような景色をゆっくりと眺める余裕を持ち合わせていませんでした。
〔02〕
この日はあまりにも天気が良くて、
窓の外を見るようにと、
その光に促され外を眺めたのでした。
〔03〕
あれほど晴れ渡っていた空が、
夕暮れ近くには雲に覆われ翳ってきました。
太陽は暗雲に包まれていきます。
〔04〕
数日前、
仕事終盤にちょっとしたアクシデントがありました。
何とか立て直す手立てを見つけ出し、
その対応を翌日に行うべき準備も整いました。
夕暮れに安堵してまた空を眺めました。
〔05〕
それまで順調に仕事を詰めてきましたが、
最後に少し躓きました。
〔06〕
この空の翳りはそんな躓きを予期していた様に、
今となれば見えてくるのです。
〔07〕
その空模様委は、
もっと別の事象の暗示だったと、
感覚の鈍い私には、
そのような予兆を感じ取ることは微塵もありませんでした。
三月十日(木) 撮影