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鉄旅 [旅景]



鉄旅


青春18きっぷの旅 四日目 (その二)


飯山駅から再び飯山線に乗り戸狩野沢温泉駅に向かいました。
この戸狩野沢温泉駅には特別目的はありませんでしたが、
たまたま乗り合わせた列車がこの駅止まりでした。
この先へ行く接続列車の発車時刻まで駅周辺を散策して写真でも撮る事にしました。

けれどもこの駅周辺はこれまでに何度か車で訪れたことがあり、
実は駅周辺がおおよそ何があるかは知っていて、
散策して楽しむようなところがなかったと記憶していました。
もしかすると肩透かしを食らってしまいそうな予感がありましたが、
随分前にこの辺の駅を舞台にした夢を見たことがあり
その映像と筋書きが今でも頭の片隅に残っているので、
現実世界でその夢の映像を見ることが出来るのではないかという淡い期待を抱いての下車となりました。

下車してみると、
そこは夢で見た光景は全くなく、
散策に足を向けるべく嗅覚が全く働きません。
つまり、私が旅に求める匂いや、
写真を撮ることが出来そうな気配が漂っていないのです。
正直言ってこれは失敗だと思いましたが、
天気が良かったのでとりあえず千曲川を見に行くことにしました。

川へと向かう道を歩いていると、
一台の路線バスが私を追い越して行きました。
そのバスは駅名にもある野沢温泉行のバスです。
実はこのバスに乗り野沢温泉に行き、
外湯に入ろうという計画もありました。
けれども、その帰りのバスは次に乗る列車にわずか数分間に合わず、
野沢温泉行は断念しました。
皮肉なことにそのバスの運行時間は三日前の四月からで、
三月までは逆に数分は約着くという運行時間になっていたので、
この計画は断念したのですが、
午前中のこの時間であれば野沢温泉に一泊した人が、
バスでこの最寄り駅まで来て帰宅またはこの先の旅を続けるという事は考えられるので、
利用客の少ないバスであれば尚更少しでも乗客を当て込む運行計画をして欲しいと思いました。
自分の旅が思うように計画できない残念さに勝手な思いや考えを巡らせながら、
駅から五分も歩けば千曲川に架かる橋に辿りつきます。




千曲川01.jpg
〔01〕


千曲川に掛る長い橋を渡ります。
その橋の途中で立ち止まり、
柔らかな陽射しの中春らしい景色を眺めます。











千曲川05.jpg
〔02〕


雪解け水が流れ込んでいるのでしょうか。
そう思ってみると水は冷たく感じるのですが、
真冬の厳しい冷たさを感じることはありません。












千曲川07.jpg
〔03〕


その流れは柔らかな陽射しを映し輝いていました。











飯山42.jpg
〔04〕


何の工夫もなく、
いつもと同じような写真を撮るばかり、
それでも写真を撮ることは楽しいものです。












飯山43.jpg
〔05〕


春を感じながら、
ただ水面を、
橋の上から見ていました。












飯山39.jpg
〔06〕


長い橋を渡り切り、
その橋を記念撮影しました。












飯山37.jpg
〔07〕


ほとんど車も通る事が無く、
橋の上ものんびりとしていました。












飯山40.jpg
〔08〕


橋の撮影も終わったので渡った橋を引き返します。
帰りもまた川の水面を眺め飽きもせず写真を撮りました。












飯山41.jpg
〔09〕


帰り道は同じ水面でも、
映り込んだ空や雲の色を撮りました。
その色合いは春らしい色で、
橋上で少し冷たい風に吹かれても心は暖かくなりました。












飯山45.jpg
〔10〕


再び橋を渡り切る間際に見つけた光景、
それは橋を見上げた視線の先にありました。












飯山44.jpg
〔11〕


自己満足ではありますが。
記憶に留めるべく印象深い写真を撮る事ができました。












飯山46.jpg
〔12〕


千曲川に架かる橋を歩いて渡るのは初めての経験でした。
いつも河岸の車の中から眺めるか車で渡るだけでしたが、
この日歩いて渡るという貴重な体験を得ました。
別れ際にこの橋を惜しみ一枚記念写真を撮りました。



    *



駅から来た道を引き返します。
駅周辺にある寺院を眺めたり、
スーパーを覗いたりしながら線路を渡り、
駅裏へと歩いて行きました。












飯山48.jpg
〔13〕

歩いていると小さな川に出会いました。
川幅狭く勾配の急な川の落差工に落ちる水量多い水、
帯を成すその落ち姿、
そして次から次絵と沸き上がる泡、
どちらも一つの形に留めることはありません。












飯山50.jpg
〔14〕


それは人工的に作られ意図しない水の造形ですが、
常に変化をしながら大きくは姿形を変えない、
その美しい様にしばらく見入りました。












飯山51.jpg
〔15〕


駅に戻るべく跨線橋を渡る途中、
北西に連なる残雪深いこの山並みを振り返り眺めました。
この山の向こう側は私の住む家の方向、
普段眺めている山並みの丁度真裏にいる形になります。
雪が解ければ車で峠を越えることもできますが、
五月の連休明けまでは通行止めで通る事は出来ません。












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〔16〕


跨線橋から駅構内を眺めます。
次の列車の発車時間までまだ十分時間がありましたが、
歩く気力を引き出す、
何かしらの予感が湧いてこなかったので駅に戻ります。



    *



出発までまだ時間があったので、
駅の売店で缶ビールとつまみを買い込み、
鞄に詰め込んだ文庫本を読みながら小さな待合室で一杯やりました。
午前中のこの時間に一人缶ビールを飲む私は、
今朝長野から乗った飯山線で見たあの強者と同じ類に入るのかと思いましたが、
一口ビールを喉をくぐらせれば、
そんな思いもすぐに消え失せてしまいます。












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〔17〕


この列車一両だけが、
ディーゼルエンジンを止めることなく待機していました。












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〔18〕


やがて別の二両編成の列車がやって来ましたが、
すぐに出発することなく停車していました。
やはりこの列車のデザインが好きなので、
この駅でもその車体を写真に撮りました。



    *



今年三月十二の早朝長野県北部を震源とする地震で、
飯山線はこの先の上境駅と森宮原駅間で線路の路床が崩れ落ち線路が宙に浮く被害を受け、
この戸狩野沢温泉駅と十日町駅の間が運休となっていました。
前日の東北地方の大地震の陰で、
この地震による被害などはあまり報道されていませんが、
丁度この飯山線の新潟、長野県境付近でも被災された方もいて、
実際福島県からの避難者を受け入れた上越市でも、
その被災者などを受け入れる避難所が開設されまいた。

飯山線は懸命な復旧作業により約一ヶ月半後の昨日(四月二十九日)に運行再開となりました。
ほぼ一年前にこの飯山線を旅していた事を振り返れば、
線路が宙に浮いてしまった光景をニュースで目にし、
また、運行再開のニュースを耳にして感慨深いものを胸に抱きました。










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〔19〕


三度飯山線に乗ります。
千曲川の河岸に沿って飯山線は走ります。

青空と雪の白さの対比、
そして冬枯れ色の山々と雪融けの清浄な川の対比、
車窓を眺めていれば飽きることはありません。













飯山54.jpg
〔20〕


実は戸狩野沢温泉駅の売店で缶ビールを一本だけ買っていました。
この車窓を眺めながら缶ビールを飲むのが何よりの楽しみでしたから。

本当は進行方向右側のお見合いクロスシートを確保したかったのですが、
乗客が少なかったにもかかわらずその席は既に埋まっていて、
座したのはロングシートでしたが、
この車窓に我慢できず缶ビールを開けました。
靴を脱ぎロングシートに胡坐を掻き、
窓の外を眺めながら悠々とビールを飲みました。
天気が良かったのでこの車窓を眺めながらの缶ビールは最高でした。












飯山55.jpg
〔21〕

列車は快調に走り長野県から新潟県に入り、
定刻通りの正午過ぎ、
新潟県三駅目の津南駅に到着しました。
実はこの駅には温泉があります。
途中この駅で温泉に入るのも趣向の一つで、
津南駅に下車することを最初から決めていました。

既に正午を過ぎていましたが、
腹はビールで満たされていたので、
まずは駅にある温泉の湯に浸かりました。
平日の昼食時ということで温泉は貸切状態、
一人悠々と湯に浸かりました。
浴場は駅の三階南向きにあり、
南向きの窓辺で春の日差しを浴びながら湯に浸かれば、
ビールの酔いもあってうっかり寝てしまいそうなほど、
ゆったりと温泉を堪能しました。



    *



こうした写真ブログをやっているにも関わらず、
この温泉に関する写真がこれ一枚しかなく、
今では写真を撮らなかった事を後悔しています。












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〔22〕


温泉に浸かった後は、
泡の楽しみ。
それが旅の楽しみ。












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〔23〕


駅前の食堂で昼食。
まずは生ビールで乾いた喉を潤します。
時間は午後一時を過ぎていましたが、
客は私以外に一人でここも貸切状態、
だらだらと飲むのも気が引けましたが、
昼の営業は二時までという張り紙を確認して、
生ビールを二杯流し込みました。












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〔24〕


煮込みがあるとは思いませんでした。
ビールに合わせるに好都合、
勿論迷うことなく注文しました。











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〔25〕


店の中休み時間を気にしながら仕上げにラーメンを注文しました。
特別凝ったラーメンではありませんが、
歳を取る毎にこうした素朴なラーメンが有り難いと感じるようになりました。











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〔26〕


私としてはネギ、メンマ、ナルト巻き、
この三つの具があれば、
他の具材は強く要求いたしません。



    *



一人平日の好天に、
列車に乗り気ままな旅先、
昼に良い加減に出来上がりましたので、
今度は千曲川から信濃川に名を変えた川へ、
酔い覚ましへと向かいました。







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鉄旅


青春18きっぷの旅 四日目 (その一)


青春18きっぷでの旅も四日目、
次に出かけたのは飯山線を巡る旅でした。
飯山線は割合近くに存在していながらこれまで乗る機会がありませんでした。
観光目的ではやはり車の方が便がよいので、
出掛ける時にはどうしても車で掛けることになってしまいます。
けれども、
長野県を流れる千曲川が新潟県に入ると信濃川と名を変える、
まさにその辺りを走る飯山線の列車が走り、
季節が移る度折々にその姿を車の中から目にすると、
一度この景色を飯山線の列車の中から眺めてみたいと思っていました。
途中下車や駅の入場など自由の効くこの切符を握り、
四日目の旅に出掛けました。




R0023396.JPG
〔01〕


この日の旅は最寄駅から始発列車に乗ります。
随分古い車両ですが、
嘗ては特急として活躍した車両、
リクライニング出来るシートなので、
長距離乗るときには楽に移動することが出来ます。












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〔02〕


旅に出掛けたのは去年の四月八日、
この切符の有効期限はあと三日、
平日に休暇を取っての旅となりました。












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〔03〕


信越本線を長野に向かいます。
四月に入って桜が間もなく咲く頃でしたが、
山に近付くにつれ地を覆う雪が深くなります。












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〔04〕


新潟と長野の県境に近付けば、
雲の切れ間から朝陽を浴びた妙高山車窓近くにその姿を現します。












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〔05〕


新潟県最後の駅妙高高原駅を過ぎれば長野との県境がすぐに迫ります。
県境で見る妙高山、
列車の中からその姿を見ることのできる最後の地点、
いつもここで妙高山に別れを告げますが、
妙高山もまた私を見送ってくれます。












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〔06〕


長野県に入って一つ目の黒姫駅、
昨夜降った雪は粉砂糖を振るったような雪がうっすらと積もっていました。



    *



列車は県境の山裾を縫うように走り、
長野盆地へと出れば豊野駅の手前で左手後ろから飯山線が寄り添って来ます。
豊野駅で下車して飯山線に乗り換えしてもよいのですが、
この日は一旦長野まで行き飯山線の始発列車に乗ります。












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〔07〕


七時前、長野駅に到着。
飯山線の戸狩野沢温泉駅行の列車に乗り換えます。
その列車は意外にも既に大方の座席が埋まっていました。

飯山線の列車のシートはクロスシートとロングシートの組み合わせとなっています。
進行方向左側のクロスシートは四座席で一つのボックスとなっていますが、
右側のクロスシートは二つの座席が向き合う形のものでした。
この対面がシートは腰掛ける二人がお見合いする形になり、
第三者が立ち入ることを拒むような何とも微妙な空間で、
先に腰掛けている人の容姿、風貌によってはその前に座りにくいという状況を生み出します。

千曲川、信濃川の車窓、
川を眺めるのが目的であればそのお見合い席に座らなければなりません。
残念ながら初めて乗る飯山線の列車ではこの席を確保することが出来す、
仕方なく左側のロングシートに腰掛け、
対面する右側のシートに座る乗客の間駆け抜ける景色に眺め私情を深めます。












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〔08〕


長野駅を定刻に出発した列車は、
長野盆地の隅の平坦部を新潟県境の山巣に向かい豊野まで走ります。
豊野駅を過ぎればすぐに線路は右へとカーブし、
やがて右側に千曲川が顔を見せ寄り添います。
飯山線と並行する道路は全線何度も通ったことがありますので、
周囲の景色はよく知っているわけですが、
いつもとは違った視点で見る景色を眺めるのがこの鉄道旅の楽しみであります。

線路と川が山間に分け入ると、
窓の外を間近に見たいと反対側に開いた僅かな席へと移りました。
ちょうど朝の陽射しが雲間から漏れる車窓を記念にと僅か数枚の写真を撮りました。



    *


実はこうした鉄道の旅の裏側にある目的は、
車窓を眺めながら酒を飲むことが出来ることにあります。
けれども普通列車に限定されるこの切符の旅では、
観光目的の乗客よりも通勤、通学などの日常生活での足としての乗客が多く、
そうした列車の中では酒を飲むことが憚れる行為と感じられ、
増して一人旅では我慢することが度々あります。
ですから他の乗客から一人酒を飲む分離された空間を確保できないロングシートでは、
酒に限らず飲食すら気が引けて出来ないので、
こうした旅ではできるだけクロスシートを確保したいものです。

それにも関わらず、
通勤通学客で全ての座席が埋まり立っている乗客も多い中、
朝早い列車の中で缶酎ハイを飲んでいる中年の男がいました。
しかも握りしめたのはロング缶です。
こうした空間の中で周囲を一切気にすることなく、
二人だけが向き合うクロスシート片足組んで、
悠然と酒を飲むその強者に最初は驚きましたが、
次第にその堂々とした飲みっぷりに少しだけ羨望の感を抱くのでた。
言うまでもなくこの強者の目の前の席は空いたまま、
座る勇気を持った乗客はいませんでした。












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〔09〕


この日最初に下車したのは飯山駅の一つ先となる北飯山駅です。
飯山の寺巡りをして写真を撮るのが目的でした。
列車はここで飯山高校の生徒と数人の教師が降りてしまうと、
二両編成の始発列車は空になってしまうほどでした。
列車を降り小さな列車と高校生を見送れば、
小さく簡素な駅舎とホームだけがそこに残り、
朝の静かな空間に一人踏切に立ちこの日の旅の主役に線路を眺めました。

さっそく勝手知った飯山の寺巡りに向かいます。
平日の朝に一人で写真を撮る優越を心の隅で感じながら、
すぐに普段の写真世界に入ります。












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〔10〕


香炉の中に落ち葉の姿を見つけました。
越した冬の間にその色を失った者もありました。












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〔11〕


供え物のリンゴの色は鮮やかですが、
その色も鳥の口ばしに突かれた所から失っていきます。












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〔12〕


請う願い事はありませんが、
私もそっと手を合わせます。












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〔13〕


静かな空間には静かな色が似合います。












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〔14〕


千曲川に沿う飯山の町、
春を感じる空を見つけました。
しばし歩みを止めその光溢れる空を眺めます。












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〔15〕


その光が遠くの山並みや町へと降り注ぎます。












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〔16〕


寺院の山門を通り抜ける参道の敷石、
それぞれに表情があります。












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〔17〕


山門に掛る寺名の額、
金色の字面に目を惹かれます。












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〔18〕


手水の水面、
落ちる水滴に揺れていました。












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〔19〕


水を得て生きる命がそこにあります。












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〔20〕


この空間に予期しない色を見つけては、
それを写真に収めます。












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〔21〕


好きなものを見つけると心が暖まります。
それを写真に撮るだけで喜びを感じます。












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〔22〕


文字の力を感じる光景。














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〔23〕


香炉の鮮やかな色合いに、
心が清浄になるような気がします。












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〔24〕


敷石の窪みに溜り水、
そこに光を見つけました。












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〔25〕


小さな生き物たちが息づいています。












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〔26〕


何気ない光景ですが、
何かしら春を感じました。












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〔27〕


何度か来ているここ飯山の寺巡り、
平日の朝に歩いたことで多くの写真を撮り心満たされました。
この日幸先の良い旅となり、
この後の旅に期待が膨らむのでした。












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〔28〕


北飯山駅から寺巡りをしながら、
一駅戻るようにして飯山駅まで歩きました。
旅の空が青いと、
ただそれだけで写真を撮りたくなります。












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〔29〕


ローカル線の駅は長閑です。
朝の明るい陽を受けながら、
緩やかに時間が過ぎていきます。












飯山35.jpg
〔30〕


飯山駅、
次に乗る列車が来るまで停車していた車両の写真を撮りました。












飯山36.jpg
〔31〕


この車両の面取りされた意匠が好きです。
この面取り部分に塗られた緑色が、
山間を縫うようにして走る車両の姿が嫌味なく映えるように思います。

この後、長野からやってきた列車で再び戸狩野沢温泉駅に向かいます。



    *



青春18きっぷの旅 四日目 (その二)へつづく。






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鉄旅


青春18きっぷの旅 三日目 (その二)


氷見線は盲腸線、
故に行き着いた先から戻るには同じ線を辿るしか手立てはなく、
行きに氷見線へと乗り継いだ高岡駅に戻りました。
この乗換駅となる高岡の町を歩くのがこの旅二つ目の目的、
ゆっくりと歩き回る時間がないのは承知の上で、
高岡の町を歩きました。




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〔01〕


高岡駅前にカラフルでスタイリッシュな路面電車が停車していました。
これまでに乗った路面電車は東京の都電だけ、
都電以外の路面電車に乗ったことはありません。
地方都市の路面電車というと面電車というと古い車両を思い浮かべますが、
ここ高岡にはこうした電車が走っています。
この近代的な路面電車に乗るのも目的の一つでした。
古い車両も走っているので、
上手くこの新しい車両に乗ることが出来るかどうか心配していましたが、
丁度この新型車両が発車待ちしていたので、
慌ただしく乗り込みました。












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〔02〕


たった三駅分ほど走ったところで下車しました。
この日は時間に余裕が無かったので仕方がありません。
下車後走り去る電車を惜しんで写真を撮りました。
以前氷見に行く時に見掛け、
一度この電車に乗りたいという思いが叶いました。












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〔03〕


素晴らしい感性で作られた塀、
色々な文様がありそのすべてを写真に収めましたが、
ここではこの写真一枚に留めます。

古い土壁の建物が建ち並ぶ通りを歩きます。
見ごたえのある建物が多く建っていましたが、
その写真を撮らなかった事をこの記事を書いていて気付きました。
旅の記録という写真が少ない私であります。












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〔04〕


渋い色合いの煉瓦、
強烈に心惹かれいます。












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〔05〕


白い目地との対比が良いく、
気になって何枚も写真を撮りました。












富山31.jpg
〔06〕


その煉瓦塀に落とす松の影と光。












富山32.jpg
〔07〕


そして青い空と煉瓦塀の対比。
こうした凝った造作に心惹かれます。












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〔08〕

少し歩いた先に不思議な空間を見つけました。












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〔09〕


人様の家屋敷、
その玄関先に見つけた光景。












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〔10〕


設計事務所の玄関先だったようで、
こうした室礼が存在することを理解します。












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〔11〕


別の町に辿り着きました。
通りに面した家屋の顔に格子が備わった町並みですが、
その記録の写真もなく、
こうした光景を探し歩きます。












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〔12〕


人家のブロック塀に繁る草と光の滞留。












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〔13〕


小さな祠の中を覗き込み、
そっと写します。












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〔14〕


供えられた菊の花、
この白い花には、
何処で出会っても心許します。












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〔15〕


川が流氷に埋め尽くされたような光景。












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〔16〕


歩き疲れて駅に歩みを向ければ、
誰も居ない保育園の下駄箱にも光が落ちているのを見つけ、
何故か心が傾きました。












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〔17〕


帰りの電車も富山駅で乗り換えが必要で、
家人への土産にと駅ビルの土産物屋でます寿司を買い込み、
僅かな時間を割いて駅そばを啜りました。
「立山」と名の入った蒲鉾浮かぶかけそば、
つゆが思いの他しょっぱく、
ただそのつゆの印象が鮮明に残るそばでした。












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〔18〕


直江津まではこの電車に乗りました。
乗るべき車両がこの車両であることを確かめ、
ビールとつまみを買い込みました。

しょっぱいそばのつゆで乾く喉を濡らすのと、
良き旅の余韻に浸るために。

この車両には何度か乗りましたが、
今年の春に姿を消しました。
直江津から糸魚川、富山方面に出掛ける時に何度か乗りましたが、
この日の乗車が最後となり、
良い思い出となりました。



    *



記事の更新が随分間隔が空いてしまいました。
因みにこの青春18きっぷの旅は昨年三月の旅です。

ここの所どうにも自宅でパソコンに向かう時間がありません。
ほぼ一週間に一度の更新となっていますが、
緩やかに記事を更新していきたいとおもいますので、
どうか皆様も気長に立ち寄って下さい。












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青春18きっぷの旅 三日目 (その一)


青春18きっぷ、
これまでの二回分は当てがあって購入したもの、
けれども残りの三回分は明確な計画がありませんでした。
この切符は旅の計画を思案する楽しみがありますが、
なにせ使用期間が定められていますので、
躊躇しているとあっという間にその期限が迫ってきます。

三回目の旅は、
旅先の町歩きと写真撮影に都合の良い
天気の良さそうな平日に代休を取り、
この日は氷見へと向かいました。




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〔01〕


今回の旅は最寄りの駅ではなく一つとなりの駅から旅立つことにしました。
普段から早起きは得意なので、
苦も無く十分余裕を持って駅に到着、
下りの始発電車が来るまでしばし駅の周りで写真を撮りました。












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〔02〕


天気は良かったもののまだ三月、
うっすらと霜が降りていました。
旅立ちの前、
緩やかに時間が過ぎていきます。












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〔03〕


一駅先の直江津で富山行きの電車に乗り換えます。
今日はこの先JR西日本の鉄路を辿ります。












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〔04〕


この日目指すのは富山県の氷見、
寒ブリときときとの魚で有名な氷見まで昼飯を食べに行くのが目的です。
北陸本線をまずは富山まで行きます。












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〔05〕


直江津から富山まで乗ってきた電車、
旅の空と同じような真っ青な車体でした。












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〔06〕


富山から高岡まで乗った電車、
北陸線を走る普通列車のカラーリングに青色が多いと気付きましたが、
それは偶然でしょうか。












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〔07〕


富山駅は北陸新幹線の駅を建設するための準備が進められていました。
在来線のホームが新たに駅裏側に移設新築されていました。
発車まで時間があったので新しいホームの写真を撮りました。












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〔08〕


高岡駅に到着。
ここで氷見線に乗り換えます。
氷見線のホーム主たる北陸本線のホームから離れたところにあり、
ローカル線の雰囲気が漂う木造の古びたホームでした。
この盲腸線を走るのはこのラッピング列車、
私が初めて乗るディーゼルカーがそこにひっそりと佇んでいました。












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〔09〕


このラッピングカ車両が目的ではありませんでした。
記憶に残っていない幼少期に乗っているのかもしれませんが、
これまでにディーゼルカーに乗ったことがありません。
そのディーゼルカーに乗ることが出来るので心は期待に膨らんでいました。












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〔10〕


大人になった今でも、
運転席を眺めたくなります。












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〔11〕


氷見駅から港の市場へ直行します。
春の暖かい陽射しを浴びながら歩きました。
以前氷見を訪れた時に港の片隅にこの食堂があるのを見つけました。
市場の中の食堂ということで興味はありましたが、
その時は既に昼食を済ませていたので、
機会があったならこの食堂で昼飯でも食べてみたいと思っていました。
それはこの旅の目標の一つでした。













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〔12〕


もちろんビールを頼みました。
肴に旬のほたるいかを頼もうかと思いましたが、
思いのほか高い値段で断念しました。
ビールを飲みつつ刺身定食を注文しました。
残念ながら私が思い描いていた市場の食堂ではありませんでした。












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〔13〕


腹が満たされたので氷見の町へと向かいます。
港の漁船が荷揚げをする岸壁に鳥たちが屯していました。
人の姿はほとんどなく、
鳥たは思いのままに岸壁を占領していました。












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〔14〕


二十年ほど前には港でこうした写真をよく撮っていました。
その頃の自分の思い出しながら少し写真を撮りました。












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〔15〕


若い頃はこうした被写体に、
足を踏ん張りしっかりとカメラを構え撮っていました。
今ではそうした緊張感もなく、
ただ撮っていくだけです。












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〔16〕


こうした露出の写真はその頃既に身に付いていましたが、
今でもしっかりと継承しています。












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〔17〕


港を後にして町へと足を向けます。
かつて賑わっていただろう商店街、
湾曲した道路に沿って建つ古い共同ビル、
路線バスの地味な車体の配色と相まって、
古びたこの色合いに心惹かれます。












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〔18〕


地方のこうした町に漂う空気を感じながら歩くのが好きです。
一種の匂いというものがありますが、
微妙に町毎にその匂いが違います。












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〔19〕


旅先で出会う町の顔、
色々な物を記憶に留めるため写真を撮ります。












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〔20〕


私的に興味があり、
記憶に留めたい二齣です。












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〔21〕


氷見の町を歩けばいたる所でこうした像に出会います。
私としてはそれほど興味がなくブログ用の一齣です。












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〔22〕


興味があるのは神社仏閣で、
港町の神社へ足を踏み入れます。












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〔23〕


神社仏閣では飽きもせず同じ被写体を写真に収めます。












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これはもう蒐集の域かもしれません。












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港町の神社拝殿は、
ひっそりと、そして厳かな空気に包まれていました。












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〔26〕


ゆっくり歩きたかったのですが二時間ほどでこの町を後にします。
高岡に戻る列車がゆるゆるとホームに入ってきます。












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高岡駅にて。
氷見の旅は終わります。



この日の目的地は二つ。
その一つ目が氷見でした。
二つ目の目的地がここ高岡。
ここ高岡にも目にしたい物がいくつかあります。

そうした高岡の旅の記録は次回にご紹介します。



































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鉄旅 [旅景]




 「鉄道の旅」  

 青春18きっぷ 二日目 〈その五〉




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茅ヶ崎の砂浜をしばらく歩き、
小さな港などで写真を撮りわずか一時間ほどで再びバスに乗り駅に戻りました。
わずかなじかんでしたが心満たされました。
駅前を少し歩こうかとも思いましたが、
時間に余裕が無い事以上に気力、体力に余裕が無く、
改札口横の売店で鯵の押し寿司を買いそのまま東海道本線の電車に乗りました。

茅ヶ崎からは東海道本線に乗ればそのまま目的地の蒲田まで行くことが出来ましたが、
大船で乗り換え根岸線に乗り換えました。
根岸線は横浜と山手間は乗車したことがありましたが、
山手から大船間は未乗車区間であることと、
横浜で乗り換えせずにそのまま京浜東北線で蒲田まで行く事が出来るので、
少し遠回りでしたがこの経路を選びました。

〈青春18きっぷ 三日目 につづく〉







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