変容 [空景]
十一月三日、
朝、
食事を済ませた後のひととき。
昨夜ずっと降っていた冷たい雨も止み、
一時的に明るさを得ていました。
北の空は海の上、、
そこには暗い空と青い空が同居している空模様、
前夜に飲んだ酒が僅かに残る鈍い体ですが、
こうした空を眺める心は鈍っていませんでした。
数年前のとある仕事で出会った諸先輩、
仕事の責任者は一番若い私でしたが、
人生も仕事も達者なその先輩達に助けられ、
その仕事を成し遂げてから続いている交友。
久しぶりに一献傾け語り明かした翌朝の空です。
休日で仕事のある私はいつも通りの時間に起き一人朝食を済ませましたが、
出掛けるまで少し時間があったので眼前の窓に広がる空を眺めていました。
その空が演じたのは僅か十分ほどの時間でした。
〔01〕
最初はご覧の通り何の変哲もない空でした。
〔02〕
昨夜ずっと雨が降っていたので、
こうした青空を見ることが出来るとは、
深く枕に埋もれた頭では想像すら出来なかったので、
ついその空に見入りました。
〔03〕
しばらくそうした空を凝視していますと、
異様な雲が表れました。
〔03〕
この色合い、
光の加減、
雲の造形。
何だかの気配を感じます。
〔04〕
鳥も何か気配を感じるのでしょうか。
〔05〕
小さな渦巻く雲が朝陽に照らされ浮かび上がります。
〔06〕
何故にこうした造形が生まれるのかとえも不思議でなりません。
〔07〕
渦巻く雲の編隊は風に流されその形を変えて行きます。
〔08〕
やがてその編隊は解れ青空に溶けて行くのでした。
*
私は特別な土地に住んでいるとは思いません。
ここしばらく空の写真をブログの記事とすることが多いのですが、
特別な空の様子だとは思っていません。
恐らく日本のどこかで似たような空模様が日々繰り広げられているような気がします。
もしかしたらもっと素晴らしい現象が日本のどこかで見ることが出来るのでは無いかとも考えます。
幸いにして私は仕事中に外に出ることが許される身であり、
かつ、田舎に居を据えることにより空を広く眺める環境にあることが、
こうした現象、光景を目にする機会に多く恵まれているのだと感じます。
その上、写真を撮るようになってから、
空を見上げる習慣を得て、
こうした空模様を感じ入れる心を持ちました。
それは何よりも幸せなことで、
日々の暮らしを心豊かにしてくれるのです。
例え感動する空を写真に撮ることが出来ないとしても、
ただそうした空を見るだけで幸せになることが出来るのです。
ただそれだけのことですが、
とても幸せなことだとしみじみと感じるのです。