秋色 [朝景]
この朝の散歩はもう少し続きます。
思いつきは海でしたが、
その後の展開にひらめくものが無かったので、
結局先の「素地」シリーズと同じように居多神社へ向かいました。
〔01〕
寺院の境内を出ると車の通ることが出来ない細い坂道を下りますが、
その道の入り口に廃屋があります。
これまでに何度もこの道を通っているのですが、
玄関らしい構えなど全くないその玄関に、
こうしたモザイクタイルが埋め込まれているのをこの朝初めて気付きました。
カメラを手にして歩く散歩は、
それこそ目を皿のようにして歩いていて、
もう撮り尽くしていると思っているのですが、
まだまだ見落としている物があるのだとこのとき改めて思い知るのでした。
〔02〕
そうした出会いにより得た写真を撮り少し心が潤いました。
心が趣くままそのまま、
意識することなく坂道を下るのが普通の行動ですが、
ふと振り返れば背後には私の心を惹く空が広がっていました。
その光を逃したくないので、
その光と対照とする影を探すのですが、
持ち合わせたレンズの長さが足りず、
電線など構わず画面の中に入れてシャッターを切りました。
〔03〕
松の葉もこうした光り輝く空を背景に捉えれば、
遠く昔の画人が描いていたような想いで写真にすることが出来ます。
冬の光と空気感の中ではこうした姿が特に引き立ち、
そうした写真を撮るのが私は好きです。
〔04〕
まだ冬を迎えていない樹木に葉を纏っています。
冬の枯れ色ではありませんが、
この後足早にその葉も落とすことでしょう。
まだ秋色のその葉を好きな空の光の中に見やります。
〔05〕
好きな光景なので、
もう一枚。
〔06〕
居多神社へは脇道に歩みを向けます。
暗い階段とその先の鳥居。
〔07〕
鏡のような池。
その水面には樹木の影の隙間に秋の薄暗い空が映ります。
〔08〕
この池を撮ることをこの朝は出掛ける前から意図していました。
その想いを遂げるために立ち向かいましたが、
結果は思うような写真を撮ることが出来ませんでした。
新たな発想は何も沸いてきませんでした。
〔09〕
定めのように鯉を眺めます。
口からは発することなく語り掛けますが、
いつものように返事はありません。
それでもこの鯉を眺めます。
*
この日は一時間半ほど歩きました。
今年二度目の五智散歩はこの記事で幕を閉じます。
今日の記事に付した文章は一気に書きました。
推敲する気力がないのでそのまま更新します。
気が向いたら誤字脱字も含め推敲するつもりでいます。
五智への二回の散歩ではそこそこ写真を撮ることが出来ました。
少し間を置いたことで見慣れた光景からも新たな被写体を見つけ出すことができました。
それに気をよくして翌週の日曜日も懲りずに三度足を運びました。
この後更にその散歩で撮った写真で記事を繋いでいく予定です。
もう少し朝の散歩にお付き合いいただくことになります。