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初日 [朝景]




一月二日、
朝、
まだ暗いうちから起き出して、
珈琲などを飲みながら外が明るくなるのを待ちました。
雨にはならないという予報を前日に確認していましたので、
東の空が明るくなる頃、
車に乗って撮影に出掛けました。
けれども、
空は平凡な曇りで、
私が望んでいたような強い朝日が差し込みそうにはありません。
「朝日が差し込み陰影が深ければ」、
最近通っている集落を訪れ、
朝の風景を撮影しようと思っていましたが、
空の雲が解れる予兆は無く、
撮影する気持ちが湧いてきません。
通いなれた集落を一通り歩きましたが、
この集落での撮影は諦めました。

代替地として通いなれた神社仏閣をと思いましたが、
新年の参拝をする方の邪魔になるのではないかと思い止めました。
しばらく当てもなく車を走らせながら行き先を考え、
日本スキー発祥の地、
「金谷山」へ行ってみることにしました。
此処へはこれまでに何度か撮影に行ったことがあります。
頭の中で過去に撮影したシーンが幾つか浮かんできました。
他に思い浮かぶ場所も無いので、
光りが良くなることを祈って金谷山へ向かいました。




A 金谷山 03.JPG
〔01〕


金谷山に到着。
東の空に日の出の気配。












A 金谷山 04.JPG
〔02〕


太陽は雲の中に居て、
光は強くなっているものの、
姿を現さないので、
少し待つことにします。












A 金谷山 07.JPG
〔03〕


新年二日目に、
一日遅れで初日の出を見ることが出来るかと、
期待して待ちます。












A 金谷山 08.JPG
〔04〕


少しずつ明るさを増していきます。
雲間から光が漏れ出します。












A 金谷山 09.JPG
〔05〕


日の出を撮りに来た訳ではないのですが、
行きがかり上見届けたいと、
さほど変化のない空を見続けます。












A 金谷山 10.JPG
〔06〕


雲は中々切れず、
太陽は雲を照らすのみで、
その姿を現しません。

普段の撮影ならば、
こうした空の表情を撮影するだけで満足するのですが、
正月ということで、
はやりしっかりとした太陽を写したいと、
空の変化を楽しみつつ、
もうしばらく待ちます。












A 金谷山 13.JPG
〔07〕


少しでも雲間から顔を出し、
太陽の輪郭を捉える事が出来れば良いのですが、
薄々この日は駄目だと感じています。












A 金谷山 16.JPG
〔08〕


予想通りの展開で、
中々好転しません、
仕方ないので、
露出を過度に切り詰め、
自分流の写真を撮りながら更に待ちます。












A 金谷山 17.JPG
〔09〕


結局、
太陽はその姿を露わにすることはありませんでした。
日の出の写真を撮ることはこれで終わりにしました。












A 金谷山 02.JPG
〔10〕

実はこの写真が、
この日最初に撮影した写真です。
ブログの記事の構成の為に、
被写体別に順庵を入れ替えました。

電線が写っています。
一枚目を撮った時には気付きませんでした。
数枚目を撮ったところで気付きました。












A 金谷山 01.JPG
〔11〕


此処は、
金谷山の麓にある、
キリスト教の墓地です。
小さいころから山に登る道路の脇にあるこの墓地を、
もう何度も見ていますが、
撮影の為に訪れるのは、
記憶にあるのは二回だけ、
その時の印象があり、
この日出掛ける切っ掛けとなりました。












A 金谷山 05.JPG
〔12〕


コダクロームが無くなる時、
最後に買った十本のコダクローム、
惜別の想いを込め、
撮影していた時に訪れたのを良く覚えています。












A 金谷山 06.JPG
〔13〕


太陽が差し込むことを期待して、
この後、
しばらく日の出の写真を撮ることにしました。












A 金谷山 21.JPG
〔14〕


日の出の撮影を止め、
墓地の中に入らせて頂きました。
朝陽を受けて、
十字架が輝いていました。













A 金谷山 22.JPG
〔15〕


光の具合が良くなりました。
色が鈍くなっていましたが、
元が金色であった像が、
朝陽を受けて輝いていました。












A 金谷山 24.JPG
〔16〕


あたかも朝陽を見つめているよな眼差し。












A 金谷山 25.JPG
〔17〕


像は東を向いているため、
こうして毎日、
朝陽を見ているのでしょう。












A 金谷山 26.JPG
〔18〕


キリスト教の事が全く分からないため、
何を表現しているのかよく分かりません。












B 金谷山 01.JPG
〔19〕


墓地は極小さく、
歩いても数十歩で墓地を歩き切ります。
例年であれば、
雪景色となっているこの時期、
この正月は雪がありません。
うっすらと雪が降り積もった頃に、
もう一度来てみたと思いながら、
キリスト教の墓地を後にしました。












B 金谷山 02.JPG
〔20〕


キリスト教の墓地のすぐ隣に、
仏教の寺院があります。
その小さな薬師堂を訪れました。

キリスト教の墓地と仏教寺院が接して立地するこの場所、
墓地の向かいには仏教寺院の庫裏が建ち、
十字架を毎日目にする場所で日々生活をする立地を目にすると、、
とても不思議な感覚を受けます。












B 金谷山 04.JPG
〔21〕


硝子への映り込み、
日の出の太陽の勢いはいつの間にか無くなりました。












B 金谷山 06.JPG
〔22〕


顔をガラスに押し付け、
硝子越しに堂の中を見ます。
見慣れた仏教の意匠、仏具があります、












B 金谷山 07.JPG
〔23〕


硝子から少し離れて、
硝子を挟んで二つの世界を見ます。
彼岸と此岸を同時に見るようです。












B 金谷山 05.JPG
〔24〕


薬師堂の床の青色に目を引かれますが、
良く見るとブルーシートです。
光が減退した中では、
その青色の怪しさに心惹かれたのですが、
ブルーシートを敷いた事情を推し量ると、
撮影する気持ちが失われます。












B 金谷山 08.JPG
〔25〕


弱い光の中で、
鈍く光る仏具。












B 金谷山 09.JPG
〔26〕


薬師堂の周囲を歩きます。
急な坂道の脇の崖には、
いくつかの穴が掘られています。
防空壕かとも思えるのですが、
はっきりとしたことは分かりません。












B 金谷山 10.JPG
〔27〕


平坦な光の中、
何故かこの色合いが目に止まりました。












B 金谷山 11.JPG
〔28〕


疎らに、
ぞして雑然と、
画にならない竹。












B 金谷山 12.JPG
〔29〕


自分でも何故ここを撮るのか分かりません。
ただ、何か気に掛る場所があります。
こうした場面では考えることなく、
感じるままに撮っていきます。
意味などは後から付加されることもあるでしょう。












B 金谷山 13.JPG
〔30〕


説明でもなく、
記念でもなく。
手当たり次第に、
ただ撮るだけです。












B 金谷山 14.JPG
〔31〕


時には視線を上方に見上げます。













B 金谷山 15.JPG
〔32〕


薬師堂を一周しました。
思うような写真を撮る事が出来ませんでした。
そして、光の具合も良くならないので、
撮影を諦め帰路に着きました。











A 金谷山 27.JPG
〔33〕


日の出の頃の色合いとはすでになくなっていました。
相変わらず太陽の手前には雲がありました。












A 金谷山 28.JPG
〔34〕


その手前の雲が不思議な形をしていました。
どのような風で雲が解け、
こうした雲の形を作るのか全く分かりません
あまり見ることのない雲の形に、
しばらく眺めていました。












A 金谷山 31.JPG
〔35〕


光の屈折により、
少し赤く焼ける部分もあります。












A 金谷山 33.JPG
〔36〕


新年二日目の初日の出を拝むことは出来ませんでした。
写真の収穫もそれほど無かったのですが、
新たな場所で早朝に歩き、
撮影する事が出来た事には満足しました。



一月二日(月) 撮影



写真自体は決して満足していませんが、
全ての撮影で気に入った写真を撮影できるものではありません。
普段ならば、
撮影に出掛けても、
好きな光の具合でなければ、
一枚も撮影しないこともありますが、
この日は、今年初めての撮影ということもあり、
「折角来たのだから」という思いが強く働き、
多少無理をして撮影しました。
新年らしい心理の撮影となりました。

結果として、
この場所での撮影では、
気に入った写真を撮る事は出来ませんでした。
この日の撮影で一つのまとまりを得る事は出来ませんでしたが、
こうした場所へ通い続け、
写真を撮り続けることで、
何かを見つけ出すことが出来る場合があります。
また、通っている内に素晴らしい光と出会うこともあります。
決めた場所を撮り続けるのも一つ、
時には新しい場所を求めて撮るのも一つ、
思うままに、
好きなように、
今年も写真を撮りたいと思う出のした。









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SILENT

コダクローム懐かしい世界ですねASA25の世界で、ヤニっぽいゴールドの濃くのある世界好きでした
by SILENT (2017-01-14 22:52) 

lamer

朝日と向き合った写真に人と自然の息遣いを感じました。
最後から2枚目の写真に猫の顔を見ました。
by lamer (2017-01-15 15:51) 

kohtyan

十字架への光がいいですね。キリスト像も印象的です。
でも、薬師堂の方に、親しみを感じます。
by kohtyan (2017-01-17 17:56) 

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