小旅 [旅景]
三月十四日、
北陸新幹線開通と同時に、
並行在来線の運命はどこも同じで、
新潟県で最初に鉄路が敷かれた信越本線の内、
直江津-妙高高原間も例外なく、
新幹線開業という華やかさの裏で、
第三セクターの「えちごトキめき鉄道」としてひっそりと開業しました。
北陸新幹線開業後、
まだあの新しい新幹線に乗る機会を得ていませんが、
第三セクターの列車には用事もないのに何度か乗りました。
微力ながらこの鉄道を利用し、
応援していきたいと考えています。
そのような思いとは全く関係なく、
四月一日に代休を得て、
小雨の降る中電車に乗り出掛けました。
これという目的はありませんでしたが、
雨の中、車を運転して出掛ける気力がなかったので、
ほどよい距離、
ほどよい時間、
電車に揺られることにしました。
〔01〕
最寄駅より一つ先の駅から新潟行の快速列車に乗りました。、
雨をの中、
列車は快調に走り、
直江津を出て柿崎に停車。
柿崎の手前から車窓に日本海が広がります。
新潟方面に列車で行くときには日本海側の席に座り、
海を眺めるのが好きなのですが、
この日は残念ながら海側の席に座ることが出来ませんでした。
したがって、海の写真を撮る事が出来ないので、
柿崎の駅標を撮りました。
そこにあった「うまさぎっしり新潟」、
昼には新潟のうまいものでも食べることにしようと思うのでした。
柿崎駅を出発する日本海を間近に広く広がります。
この路線では楽しみにしている区間ですが、
残念ながらこの日は山側の席、
通路を挟んだ反対側の席から海を眺めるだけでした。
海側のボックス席を独り占めしている反対側の乗客は、
海に目を向けることもなく眠り込んでします。
海に興味がないのであれば席を替わってほしいと、
心の中で呟きます。
雨模様の海原は、
私のこの複雑な心境とは裏腹に、
平坦に静まっていました。
〔02〕
一時間ほど走って長岡駅に到着しました。
ここ長岡駅の在来線線ホームは新幹線高架の下にあり、
かつ、ホームの片側は駅舎ビルが立ちはだかり、
いつ降り立ってもく暗く、
閉鎖的で好きになることの出来ないホームです。
途中海の写真を撮ることが出来ず、
その上、この日は雨と言うこともあり一層暗く感じてしまいました。
嘗ては古いながらも国鉄時代の特急車両を使っていた快速列車、
特急並の短時間で、
しかもリクライニングシートに腰掛けながら、
新潟を往復することができたのが、
足の速い列車の内4往復は特急となり特急券が必要となりました。
JR時代にはあった格安な切符もなくなり、
乗車券のみで特急並みの短時間で移動することが出来なくなり、
気楽に列車旅に出掛ける事ができなくなりました。
快速列車が辛うじて2往復が残ってくれたものの、
通勤型の車両となってしまいました。
存続した事は有難いのですが、
古い揺れの大きい通勤型車両のシートに、
長時間乗る体力と気力が、
何よりも心のゆとりが私には在りません。
〔03〕
普段乗る事のない乗り合いバスで大型のショッピングセンターへ向かいました。
同行人の買い物を済ませ駅前に戻りました。
長岡駅まで少し遅い昼食です。
新潟のうまいものを食べようと思ったのですが、
慣れぬ土地故、店の予備知識がなく、
結局新潟のうまいものとは関係なく、
何度か行ったことのあるビヤホールへ行きました。
ここは通年、昼も営業している店で、
ドイツやベルギーなどの舶来ビールを飲むことが出来ます。
昼から好きなビールを、
ソーセージやピザと共にたくさん飲みました。
〔04〕
小旅の一行に与えられた時間に余裕はなく、
慌ただしく昼食を済ませ、
長岡駅に戻りました。
その間に線橋から線路を眺めます。
薄い雨雲の下、
黒い地面に敷かれた線路の輝き。
雨の日ならでは光景が心に染み入ります。
そう言えば、
この一月にもこの駅に降り立ちました。
大失敗の処理の為に来た長岡、
苦い思い出となったその旅路、
その時はこの跨線橋にある立ち食い蕎麦屋で、
へぎ蕎麦を食べたことを思い出しました。
〔05〕
帰路に着き、車上の人になりました。
雨空は暗く沈み込んでいました。
〔06〕
小雨は降り続き、
窓ガラスを濡らし、
車窓に応じ流れていきます。
雨は嫌いではありません。
シートに体を委ね、
窓を流れる雨を眺めるのが好きです。
〔07〕
帰路は新しい特急に乗車しました。
特急券の負担は薄くなった財布に応えますが、
この日はとある時間までに帰る必要がありました。
〔08〕
私の席は5番の列でした。
前の席は4番の列。
その前の席の座った客が車内の迷惑となっていたので、
その行為を改めさせました。
良い大人が車中の迷惑に気付かないとは情けない。
〔09〕
新しい特急車両。
私にはこうした数字の意味がよくわかりませんし、
車両の特徴などもよくわかりません。
ただ、壁に塗料で書かれていない現代風の表記に興味を持ちました。
〔10〕
国鉄時代の古い車両には、
「ライナー券」を入れるポケットの車両が私の地域にも走っていました。
「ライナー券」とは無縁の田舎に住んでいるので、
そのポケットの存在理由が良くわかりませんでした。
ホルダーに切符を挟んで寝る勇気が私には在りません。
新しい特急列車のシートはやはり快適でした。
それは列車の速度が遅く感じられるほど、
普通列車よりも安定し、スムーズに走るので、
速度を感じることがないのでしょうか。
〔11〕
外気の気温が少し下がったのでしょうか。
乗客の吐息にガラスが曇ります。
直江津駅に到着。
慌ただしい小旅ももうすぐ終わりです。
〔12〕
更に雨が強くなってきました。
もう間もなく最寄りの駅に到着します。
四月一日(水) 撮影
すっかり日曜日のみの更新が定着してしまいました。
三ヶ月も下書きのまま放置していた記事に筆を入れました。
何ともまとまりのない、
どうでも良い私的な記事になってしまい、
想いを満たすことが出来ませんが、
写真に文章を埋め込むことが出来たので更新します。
私的な趣味の写真はここしばらく全く撮っていません。
四月、五月に撮影した写真はたくさんあるのですが、
まだ、整理していないので、
この後のブログ更新は、
日曜日の更新も危うい気がします。
えちごトキめき鉄道の車両を見かけると、ガンバレーと心の中で叫んでしまいます(笑)
by ドラカメ (2015-07-08 14:47)