SSブログ

妻有 [心景]





 2012 越後妻有「大地の芸術祭」の記憶 その二




B9月8日 01.JPG
〔01〕



此処で迎えててくれたのは、
カラフルな色に塗られた雪囲いの板でした。
消火栓を雪から守る小さな小屋の前面を覆うその板を、
一枚一枚、ビビッド色のなペンキで塗ったもの、
ただそれだけの発想で、
一瞬、自分でも出来そうな気がするが、
実際に行動に移すことが出来るかどうか、
その紙一重の境界には大きな壁があることはわかっています。












B9月8日 39.JPG
〔02〕


「アジア写真映像館」という企画。
さぞやアジアの写真がたくさん詰まっているのだろうと期待しながら
この嘗て小学校だった校舎に足を踏み入れます。

三年前にもこの校舎を訪れています。
作品の記憶はかなり薄れていますが、
自分が撮影した写真のことはと、
現代アートの大きな力を感じたことをよく覚えています。

上手く言葉で表現することが出来ませんが、
何かしらの「力」が甦ってきます。

現代アートにまだ慣れ親しんでいない私に、
大きな衝撃を与えてくれました。












B9月8日 02.JPG
〔03〕


そのカラフルな雪囲い板は、
校舎の一階まどにはすべて嵌め込まれていました。
夏の日差しは校舎の壁に反射して、
板の裏側まで十分回り込み、
その鮮やかな色を照らしていました。












B9月8日 03.JPG
〔05〕


色の連なりに意味はあるのか。
色の意味合いとか、
配列とか、
良くわかりませんが、
色々な事を考えてみます。

勿論、
答えを得ることなど出来ませんが。












B9月8日 04.JPG
〔06〕


順路に従って歩いていくと、
山間の小学校を想像させる控えめな大きさの体育館に辿り着きました。

体育館の天井から、
大きな写真が垂れ下がっていました。

少々写真は割愛していますが、
ここまでは隣国、
大陸の国の作家による作品のようです。












B9月8日 05.JPG
〔07〕


贅沢なカンバス。
贅沢な空間利用。












B9月8日 06.JPG
〔08〕


純粋にその写真の世界に入っていくことが出来ないのは、
私の素養です。












B9月8日 07.JPG
〔08〕


体育館の大空間から一転、
三階の教室へと、
順路にしたがって辿り着きました。


十分大きな写真ですが、
あの体育館での写真を観た後では、
随分控えめに見えてしまいます。












B9月8日 08.JPG
〔09〕


この嘗て小学校の教室であった空間によく合う構成だと感じました。














B9月8日 09.JPG
〔10〕



この日此処へは、
この写真を見るために行きました。

これらの作品は、
日本の写真家、
森山大道氏の写真です。



正直に言うと、
嘗ての小学校校舎を丸々使っての作品展示にしては、
多くの感応を受けることはありませんでした。

「アジアの写真」と謳いながら、
出展する写真家の数が少ないように思われました。

ちょっと肩透かしを食らったような













B9月8日 10.JPG
〔11〕


少々肩透かしを食らった感を抱きながらふと目にした写真。


予期せぬ、
思惑の違う写真に何故か心惹かれました。












B9月8日 11.JPG
〔12〕


それは、
この空間に良く合う写真でした。


色々と想像してしまいます。


写真の技術ではなく、
写真が持つ本質の一つを見た気がします。












B9月8日 12.JPG
〔13〕


様々な背景なども浮かび上がってきます。

あまりにもこの場所に合ってしまいます。

この場所での一番印象的な写真でした。












B9月8日 13.JPG
〔14〕


嘗て教室だった三階の窓から外を見れば、
何とも美しい景色が広がっていました。


この教室で、
繰り広げられた光景を勝手に想像しては、
我が小学校時代の思い出が浮かび上がり、
懐かしい気持ちで心がいっぱいになりました。


日本の都会や世界の先進国とは違う時間が、
こうした山村で織り成されてきたのです。


随分私も歳を取りました。
こうした感覚を抱く。
そのような歳になったのですね。












B9月8日 14.JPG
〔15〕


一種の憧れでもある写真家の写真を初めて見た帰り際、
展示されていた三階廊下の突き当たりに大きな鏡があり、
そこに立つ自分の姿が映っていました。


嘗ては多くの子供たちを映した鏡、
今は子供の姿を映すことなく、
子供の声が響くことの無いこの空間に、
この日此処を訪れた自分の姿が映っていました。



今年もこの鏡に自分の姿が映るでしょうか。
好きな空間なので、
作品とは関係なく、
きっと自分の姿を映すことになると思います。



    *


想いを上手く文章にまとめることが出来ません。
「時間切れ」。
推敲も放棄ます。
ブログ記事を先に進める為、
敢えて不完全でも更新いたします。











nice!(38)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 38

コメント 3

JUNKO

大変丁寧に紹介して頂いて、私も一緒に見ているような気持ちになりました。カラフルな雪囲い、楽しい発想ですね。校舎内の展示も寄ったりとしていてとてもいい感じです。実際に行ってみたい気持ちになりました。
by JUNKO (2015-05-13 19:45) 

e-g-g

>写真の技術ではなく、
>写真が持つ本質の一つを・・・
まず、其処にいたこと、その場でシャッターを押したこと、
そして記憶に留めたこと、
機材の優劣も関係なく、カメラマン自身の存在も消えて、
時を留める、まさに写真の本質の一つなのでしょう。

by e-g-g (2015-05-15 17:48) 

aya

森山さんの個展は見に行きましたが、うーんと唸るものも少なくありませんでした。 分からないんです!きっと感性が乏しいのでしょうね。
とても興味深いところですね。
by aya (2015-05-18 22:05) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

妻有妻有 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。