酔客 [酔景]
現在出向している勤務先は、
自宅から六十キロほど離れた海沿いの県境近くの、
小さく静かな町、
縁あってこの町へ仕事で通うことになったので、
当然その地で酒を飲むことなどを楽しみにしていたが、
着任から二ヶ月ほど経ったある夜、
ようやくその機会が巡ってきた。
仕事関係者十名ほどの宴は、
仕事先の小さな町ではなく、
この町よりは大きな隣り町まで催され、
有意義な時間を過ごすことが出来たが、
残念ながら少し体調を崩していたため、
酔い覚ましに見知らぬ土地の夜風に吹かれながら、
酔写する楽しみを得ることは出来ず、
この晩は早々に一人宿に戻ることとなった。
〔01〕
一人の酔客が乗り込む。
〔02〕
行き先は告げた、
後は寡黙に、
暗い車内に埋もれる。
〔03〕
疾走、
慌てる訳でもないのに。
光の軌跡、
揺れる心。
〔04〕
光が何かを奏でているよう。
〔05〕
酔客の目はただひたすらに、
小さな硝子窓から、
町の灯りを見つめるだけ。
ドラマがあるようで想像を掻き立てられます
by ちーず (2008-10-25 07:13)
確かに、夜の酔ったときのタクシーの景色って
こんな風に映るような感じも・・・☆
お見事です♪
by お茶屋 (2008-10-25 08:48)
タクシーの天井灯/行燈一つでも
こんなに素敵な素材になるんですねぇーーー!
お見事!の一言です。
どうしたらこんなに素敵な写真が撮れるんですかね?
by miopapa (2008-10-25 11:46)
おおーっ!寂光さんの面目躍如!
ドラマですねぇ・・・。
by unicon (2008-10-25 21:04)
大好きなシリーズ!
寂しくも、一人のみながら見ています。
by mimizu (2008-10-25 22:25)
酔ってタクシーのると、撮りたくなりますよね。
by gon (2008-10-26 01:48)
おはようございます。
う~ん・・・・・
さすがに・・・・
詩人ですね!!
by BPノスタルジックカーショー (2008-10-26 07:24)
分かるわかる!! 酔った時、タクシーの窓をつたう雨粒を撮った事が
あります、撃沈でしたが、ボーっと眺める灯りが無心なのに 残ります♪
by aya (2008-10-26 16:37)
体が"ゾクッ"と鳥肌立ちました。 素晴らしい!!
酔客の見えない気持ちまでもが伝わってきました。
by Sting (2008-10-26 18:28)
自宅から60km?! と、遠い。。。
by ojo (2008-10-30 20:07)
ご無沙汰しております。
お写真を拝見して、記事を読み、
うん、やっぱり、すごい!!
by gutsism (2008-11-01 20:49)